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2014年11月21日 (金)

「楽園追放 -Expelled from Paradise-」

Rakuen  今更説明するまでもなく「銀河鉄道999」は、主人公の少年が永遠に生きることができる機械の体を    無料で手に入れるために宇宙を走る列車に乗って旅する話だ。
 結局、限りある命だからこそ素晴らしいみたいなオチで終わってしまう。
 当時は納得していたのだけど、年取ってくると考えが変わってくる。
 目は見辛くなるし、物覚えは悪くなるし、何よりも体力がない。
 そう思うと機械の体が欲しいと真剣思ってしまうのだ。
 「銀河鉄道 999」は、この1本出終わっておけば傑作で済んだのだが、その後、続編を 作ってしまい、その価値を下げることになる。
 当時の傑作も時代の中であってこそであり、今同じようなネタでやると極めて陳腐でアナクロい。
 例えば鉄人28号はリモコンを持てば誰でも動かすことができる。
 ある時は正義の味方、あろ時は悪魔の手先。
 だからこそ話が盛り上がるのだが、一方では当時はセキュリティという概念がなく、パスワードの設定とか思いつかなかったのかもしれない。
 「銀河鉄道999」も同じことである。
 壊れても部品さえ変えればいつまでも使える=機械。
 永遠の命=機械の体という発想なのだろう。
 これは当時としては正解だ。
 しかし、21世紀になると電脳世界という概念が出てくる。
 仮想空間で生きる。
 記憶のバックアップを取る。
 機械の体とは違う永遠の命の概念だ。
 この映画の舞台は遥か未来の地球。
 人類の多くは荒廃した地上を捨て、電脳世界ディーヴァで暮らしている。
 しかし、その電脳世界が地上世界から謎のハッキング攻撃を受けてしまう。
 システム保安を担当する捜査官アンジェラは、フロンティアセッターと名乗る犯人を追って無秩序で危険な地表へと降下する。
 彼女のサポート要員となるリアルワールドのエージェント、ディンゴと共に犯人を追う。
 実はこの映画は21世紀版「銀河鉄道999」というべきもので、永遠の命=電脳世界で生きることなのである。
 機械の体がさらに昇華した形であり、古いと思っていたテーマも表現方法によっては新しく生まれ変わる良き例だろう。
 電脳の世界では何でも情報を瞬時に入手できできてしまうので、何でもありになってしまうのだが、相手に情報を漏らさないようにするため自分達も情報を得られないようにして制限を設けている。
 それはまるでドラえもんが秘密道具を使えないようにして危機的状況を作るが如しである。
 そうすることにより、サイバーパンクとスペースオペラのSFの美味しいとこ取りをしている。
 ヒロインが地上で動くための体=リアルボディーを作らなければならないのだが、他のライバル捜査官を出し抜くために、成人女性になる前の16歳のリアルボディーで動くというのが、きちんと萌えの必然性を作っていて見事!
 さらには、電脳と宇宙という壮大な二大テーマを扱っているにも関わらずきちんと融合させているのも良い。
 アクションはこれでもかというくらいテンコ盛りで迫力満点。
 監督は水島精二。
 脚本は手がけた虚淵玄。
 声の出演は、釘宮理恵、三木眞一郎、神谷浩史。
 話に目新しさはないものの、だからこそ久しぶりに正統派のSFを見た満足感あり。
公開している劇場が少ないが絶対の必見作!

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