「グレート デイズ! ―夢に挑んだ父と子―」
車いす生活の息子が父親と過酷なトライアスロンに親子で挑戦!!
自分の父親は障害者で歩くこともままならない状態。
映画は2時間で終わってしまうが、実際の生活は死ぬまで終わらない。
だから、何か違った行動をしてもらうとかなり迷惑だ。
こういうことをいうとひとでなしみたいに言われるが、何かあったらもう自分で何とかできる状態ではない体がどれだけリスクが大きく、周りの人が気を使っているかは、当事者にしかわからない。
母親は父親に付きっきりで、父親がいる間は好きだった映画も観にいくことはできない。
つまり、身内に障害を持つ人がいるだけで、その人だけでなく周りの人達の生活も大きくかわるのだ。
そして、それが納得できるまでには、かなりの精神力を要するのだ。
この映画については、事前に情報を入れてなかったので、車いすに乗っている息子がトレーニングして、トライアスロンに参加する話だと思っていた。
しかし、映画を観ていると、彼は別に何をするわけでもなく、泳ぐときは父親にゴムボートを引っ張ってもらい、自転車の時はE.T.みたいに乗せてもらい、走るときは車いすを父親に押してもらう。
う~ん、正直、凄いのは息子を連れて16時間以内にゴールした父親じゃないの?
おそらく、1人で走ったら間違いなく、物凄い成績を残していると思う。
そしてこの感動的であろう話が、自分にとってはかなり辛い話で、そりゃあ息子は達成感があるだろうが、周りは何かあったらとビクビクしなくてはならない。
それは大人だからとか、自分のことは自分で決めるとか、そんなことを言ったところで、周りの助けがあってナンボのところがあることを忘れてはならない。
悪い話じゃない。
悪い話ではないことは重々わかっている。
だけど、実際はそんな簡単でもない。
自分がこの映画を観ていて一番共感したのは、心配性の母親だ。
正直、一見敵役っぽく見える彼女が一番正しい。
そして、彼女が悪者に思える人は、おそらくそういう人が身内にいないということなので極めて幸せなことだと思う。
申し訳ないけど、正直な複雑な気持ちで観てしまったよ。
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