「ホドロフスキーのDUNE」

ひょっとしてデューンの映画化もできるんじゃないか?
フランク・ハーバートの壮大な小説をいかに収めるのか?
当時は、三部作とかシリーズ物という概念が希薄だったので、2時間くらいに収まるかどうかが極めて疑問だった。
そして舞台となる砂の惑星をうまく表現できるかどうか?
そんなところに、「スター・ウォーズ」の登場。
設定をパクったみたいに砂の惑星タトウィーン。
当時としては最先端の特撮。
できる。
間違いなくデューンの映画化は可能だ。
そんなどうでもいいことで喜んでいた自分だが、実は「スター・ウォーズ」より前にデューンの映画化があったことを当時は知る由もなかった。
この映画は結果的に実現しなかったデューンの映画化の顛末を追うドキュメンタリーだ。
デューンの映画化の話は「スターログ」だったか何かで噂を聞いていたが、その全貌は全くわからなかった。
その意味では大変貴重な記録だと言えるだろう。
メビウスやダン・オバノン、H・R・ギーガーをはじめとした各界のトップ・アーティストが、この映画のために集結!
ギーガーなんか、この後、エイリアンのデザインをするわけだから、まさに時代の先取り。
これがもし完成していたら、映画史は大きく変わっていたに違いない。
ところが、事実は資金繰りがうまくいかずに頓挫。
しかし、冷静に考えてみたら、監督が「エル・トポ」のアレハンドロ・ホドロフスキー。
普通に考えたら、ちゃんとした映画ができる確率は極めて低く、完成しなくて当然、いや完成しなくて良かったのではないかと思ってしまう。
インタビューでホドロスキーが喜々として語っているのを観ていると、色々な意味でぶれない人なんだなあと思う。
おそらく「スター・ウォーズ」があったら「宇宙からのメッセージ」のような感じになっていたかもしれない。
結局、デューンはデヴィッド・リンチが監督で映画化されるのは周知の事実だが、これも普通に考えてリンチじゃダメでしょ。
あまりにも映画化に恵まれていないデューン。
ひょっとして、ピーター・ジャクソンあたりだったら、一般受けしそうな作品になったかもしれないと思いつつ、見果てぬ夢を追い続けるのが悲しきファンの性だ。
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