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2014年7月 8日 (火)

「her/世界でひとつの彼女」

Her  CG技術の発達により、SF映画が増えてきた。
 しかし、残念なことにSF映画=未来的ガジェットが出てくるスペクタルになっていないか。
 スペースオペラだって、スター・ウォーズを越えていないし、もっと頻繁に作られるかと思えばそうでもなかった。
 SFは藤子先生じゃないけれど少し不思議なところもあって、設定は変わっていても心に訴えるものであるべきだと思う。
 宇宙人やロボットが出てくるだけがSFではないと思う。
 と、まあ若い時にSFどっぷりの自分が語っているわけだ。
 そして、昔取った篠塚、いや杵柄の自分が、SFマインドをびしび感じたのが「her/世界でひとつの彼女」だ。
 コンピュータがさらなる進化を遂げた近未来を舞台に、傷心の作家が女性の人格を有した人工知能型オペレーティング・システムと心を通わせ、本気で恋に落ちていく。
 そう昔からあるSFの定番である。
 今更ネタなのだ。
 だけど大変面白い。
 まるで普通の恋愛映画を観ているような感じであり、声だけで主人公と同じように胸のキュンキュンが止まらない。
 もしもこんな人工知能があったら、もう友達や彼女はいらないと思ってしまう。
 今更ながらベタなネタとはいえ、さすがに70年代とは違い、コンピューターが発達している現在に作られるだけあって、妙にリアルなところがあったりする。
 バージョンアップとか昔のSFでもないわけでもないけど、意外に普通にあった概念ではないんだよなあ。
 恋愛に至る様子も良いが、ネットで繋がっている故の意外な展開も興味深い。
 出演は主人公が恋に落ちるAIの声をスカーレット・ヨハンソン。
 これって吹替だと彼女は出演していないことになるのか。
 監督はスパイク・ジョーンズ。
 この手の話は声優文化の進んでいる日本だともっとウケるのか?

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