「野のなななのか」
大林宣彦監督。
そのリリカルな演出が映画少年の心をガッチリ掴んで離さない。
一方では良い時と悪い時のムラが激しい監督でもある。
当たればほんわかと暖かい気分になるが、ハズした作品だと途端に気分はブルーに。
尾道三部作はOKだけど、「漂流教室」は問題外。
幸い「漂流教室」は地方では「プロジェクトA2」が同時上映で救われたという。
そんな大林監督も結構ええ年である。
もう引退か?
そんなことを考えてたら、意外に新作が次々公開されている。
この映画は北海道芦別市を舞台に、92歳で亡くなった家長の葬儀で顔をそろえた一族が、ある女性の来訪を契機に家長の知 られざる過去を知る…というものだ。
やりすぎな映像テクニックの大林監督もすっかり落ち着いたかと思いきや、相変わらずやりすぎは健在。
それどころか、映画的なキレが凄まじくなっている。
とにかく、カメラは動きまくり(手ぶれではない)、編集は過剰に細かい。
そして登場人物は喋りまくり、音楽は全編鳴りっぱなし。
だけど、面白い。
昔よりも遙かに面白くなっている。
但しこのハイテンションで3時間近い上映時間は辛い。
だけど、ある意味自主映画なのでやりたい放題なんだろうなあ。
とにかく、大林宣彦の健在ぶりと鬼才ぶりを再確認する意味でも必見だ。
デジタル時代の映画少年は特に観るべし。
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