「アクト・オブ・キリング」
ドキュメンタリーの面白さは、基本真実であることが重要である。
例えばフィクションなら凡庸なネタであったとしても、実際の話であれば感じ方が全く違う。
そして危険な題材であればあるほど緊張感と緊迫感、それに面白さが違うのである。
1965年から66年にかけて、インドネシアで政権を巡る権力闘争を引き金として20世紀最大規模の大虐殺が発生。
事件の真相は闇に葬られる一方、殺害を実行した者たちは罪を問われることなく、英雄扱いで普通に日常生活を送っている。
この映画は、殺人部隊のリーダーを取材。
殺戮がどのように行われたかを加害者たち自身による再現で映像化する。
もうこの企画そのものが異常だ。
しかし、当事者は全く自覚がない。
1965年、クーデターの収拾にあたった軍部の少将らは、事件の背後にいたのは共産党だとして、100万規模の人々を虐殺。
その実行者たちは、今でも国民的英雄として楽しげに暮らしている。
そんな彼らが嬉々として過去の行為を再現している。
正にスター気取りだ。
これには戦慄を覚える人がいるかもしれない。
しかし、一方では、仕事としてやってるならどうなのか?
例えば我々も普段の生活で、疑問があるような仕事をする時がある。
人の生死が関わっているとはいえ、それに近いものがあるのではないのか?
何か異常な緊張感と緊迫感、それでいて常識が通じない世界。
怖くて先が読めない。
そして、これらはフィクションでなく事実であること。
怖い。
だけど面白い。
監督はジョシュア・オッペンハイマー。
最後は意外な展開。
悪の概念について考えさせられる必見昨!!
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