「プリズナーズ」
6歳の少女が行方不明。
現場近くで目撃された車を手がかりに、乗っていた青年を逮捕するも、彼は10歳程度の知能しかなく、まともな証言も得られないまま釈放の期限を迎えてしまう。
担当刑事は冷静沈着に捜査を進めていくが、一向に進展を見せないため、娘の父親は娘の居場所を聞き出すため、容疑者の青年を監禁して拷問をする…。
ここ最近は派手なコスチュームで世界平和を守るヒーローが出てきたり、宇宙人やらゾンビが襲ってくる映画が多いのだが、実際にそんな状況が発生することは極めて少ない。
しかし、家族が行方不明になることの確率の方が極めて高い。
娘が行方不明。
明らかに犯人っぽい奴がいる。
警察の捜査は進まない。
一気に締め上げて居所を吐かすことはしない。
時間が経つほどに、娘の生存確率は低くなっていく。
こういう時、父親が元CIAの凄腕エージェントだったら、96時間以内に何とかしてくれるかもしれない。
しかし、普通の人の場合、そんなことは無理である。
とりあえず、犯人っぽい奴を痛めつけて吐かすしかない。
ところが、それだって根拠があるわけでもなく、思いこみでしかないのだ。
娘の安否、暴力で真実を吐かせようとしているが実際に犯人かどうかわからない怖さ、やたらと熱くなっている父親の暴走と娘への愛情、冷静に追いつめていく刑事…など、緊張感と緊迫感が全編途切れることなく進んでいく。
それでいて人間の複雑な心境をきっちりと描いている。
予想以上の傑作!
主演がヒュー・ジャックマンなので、ウルヴァリンのように力づくで何とかしてしまうのかと思ったら、そんな安直な展開ではなかった。
監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。
「ディス/コネクト」といい、今年はファミリー(?)サスペンスの当たり年か?
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