「サクラサク」
大手企業で仕事こそ順調だが、家庭では妻との関係は冷え切り、2人の子どもたちともギクシャクしてしまっていた一家の主だが、さらに彼の父が老人性痴呆症となってしまう。
バラバラとなった家族の絆を取り戻すため、一家で旅に出る…。
さだまさしの小説を映画化。
痴呆老人ネタの映画を観て思うことは、映画は2時間前後で終わるけど、実際は死ぬまで続くってことだな。
だって、この手の映画って家族が一致団結して、何かしたら痴呆が少し良くなったりするわけじゃん。
この映画だって、そうだよ。
痴呆老人の故郷探しをしていくうちに家族の絆は深まり、痴呆がちょっと良くなったりするわけ。
主人公は大企業の部長で役員になることが決まっているのだけど、それを投げ打ってまで家族で旅行に行ったりするわけですよ。
実は自分も家にウィザード級の痴呆老人を抱えているんだけど、終わらないんだよね。
映画は適当にまとめて終わるけど、実際は死ぬまで何も解決しない。
旅行なんか行けないし、金は莫大に必要だ。
施設に入れるにも金がいるのだ。
いや、痴呆老人にも尊厳はあるし、家族の理解も必要なのはわかる。
そんな簡単なものでもない。
映画はそんな重たい展開にはならない。
だけど、現実を知ってしまうと甘すぎて困ってしまうのだ。
出演は緒形直人、南果歩、藤竜也。
久しぶりに見た緒方だけど、彼がど~見てもやり手の部長に見えないのが悲しい。
さらに南果歩の老けっぷりは役作りだと信じたい。
藤竜也は「愛のコリーダ」の時は色々な意味でエネルギッシュだったのに、すっかり老人役。
これも時の流れか。
監督は「利休にたずねよ」の田中光敏。
まあ、この映画が素直に楽しめるのなら、それは幸せだと思う。
実際に身近に痴呆老人がいたらちょっと気分はブルーになるのは間違いなし。
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