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2014年3月27日 (木)

「あなたを抱きしめる日まで」

Philomena 今回はマジでネタバレしてます。



 50年近く前に生き別れになった息子を探す母親の物語。
 こう聞くと最後は巡りあえてめでたしめでたしと思うでしょ?
 ところが、そんなベタな展開じゃないんだなあ。
 何故なら、息子は話の途中で死んでしまっていることがわかるから。
 実は息子探しはあまり重要ではないのだ。
 イギリスに暮らす敬虔な主婦フィロミナは、50年前に10代で未婚のまま妊娠。
 そのため、彼女は家を追い出され修道院に入れられる。
 やがて生まれた男の子はアンソニーと名付けられるが、彼が3歳になると無理やり養子に出 されてしまう。
 以来、息子のことを忘れたことはない彼女は、年老いてどうしてもひと目我が子に会いたいと切に願っていた。
 彼女の娘は、かつてはBBCにいたが、今は降板している落ち目の記者マーティンに話を持ちかける。
 マーティンはジャーナリストとしての再起をするため、フィロミナと息子を取材することにする。
 かくして、信心深くて平凡な田舎の主婦フィロミナと無神論者でインテリ紳士のマーティン、という対照的な2人によるアンソニー捜しの旅が始まる…。
 で、実はアンソニーはアメリカにいることがわかる。
 調べていくうちに、実は修道院は金銭目当てに子供たちを売っていたことがわかってくる。
 なるほど、息子との再会メロドラマと思わせて、実は社会派ドラマか?と思ったがそれだけではないんだな、これが。
 実は物語の中心となる思想は赦しなのだ。
 そう考えると全てが合点がいくのだ。
 実は巧妙な脚本だったわけやね。
 出演は007のMでお馴染みジュディ・デンチ。
 う~ん、彼女の若い頃を見たことはないし、想像ができない。
 監督は「クィーン」のスティーヴン・フリアーズ。
 英国アカデミー賞やヴェネチア国際映画祭で脚本賞を獲得したらしいけど、それは納得。
 必見です。

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