「ニシノユキヒコの恋と冒険」
ジェームズ・ボンドは女にモテるということが前提となっている。
観ている方もそういうものだと思って納得している。
しかし、よ~く考えるとショーン・コネリーはもっさりして洗練されていないし野暮ったい。
ロジャー・ムーアはジジイだ。
これはもうお約束として納得しているだけで、実際はどうか?と検討してみれば微妙である。
映画は設定で無理矢理納得していることがある。
しかし、自然にそう感じることができる希な映画が出てきた。
それが「ニシノユキヒコの恋と冒険」だ。
ルックスも良く、仕事もできて女性にも優しい完璧な男ニシノユキヒコ。
どんなタイプの女性も虜にしてしまう彼だったが、なぜか決まって最後は女性たちのほうからニシノのもとを去っていく。
あ~嘘臭い。
そんな完璧な男がふられるわけないだろ。
この矛盾した設定を映像化するのは、壮大なSF小説を映画化するよりも遙かに難しいかもしれない。
ところが、映像化に成功しちゃってるんだな、これが。
この映画を観ているとリアルに納得できてしまうのだ。
演じているのは竹野内豊。
今更「ビーチ・ボーイズ」でもないだろ!と思っていた.
ところが仕草というか動きがかっこいいし色っぽい。
こりゃ~女子にモテるわ。
抱かれて~。
そして、この映画の凄いところは、主人公を好きになっていく女性の様子が大変丁寧に描かれているところだろう。
いわゆる「人が恋に落ちる瞬間を見た」ってやつなのだが、これがかなりリアルであり、見ていてそれが伝わってくるのと、恋をしている幸せな感じがビシビシ伝わってくること。
考えるのではなく感じさせるものがあるのだ。
これはもう監督の井口奈己の演出の技量がかなり高いことを証明している。
正直、主人公が幽霊となって出てくるベタな展開に、ダメさを少し感じたが、それ以上に演出が上手いので許す。
主人公の周りにいる女性は尾野真千子(B83-W60-H86)、成海璃子(B81-W57-H82)、木村文乃(B80-W58-H85)、本田翼(B84-W62-H88)、麻生久美子(B80-W59-H83)、阿川佐和子だが、オノマチがその中でもかなり芸達者で恋仲になっている時が、物凄く幸せそうで、あれだけでも他より一馬身リードってところか。
とにかく、観ていて幸せになれる映画っつうことでオススメ。
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