「神奈川芸術大学映像学科研究室」
映画好きが高じてくると、将来映画関係の仕事につきたいと思うようになる。
そんな映画好きをこじらせると、目指すは映画監督だ。
自分も一瞬考えたし、自分の周りにもそっち方面に進学したいと考えている人もいた。
そうなると、大学の映像学科とか、専門学校に行くことになるのだが、ふと思ったのは果たしてそんな勉強をしたところで、映画監督、いや監督にならなくてもそういう関係の仕事につける確率はどれくらいなのか?
ましてや、そういう仕事についても、皆がスピルバーグのようになれるわけでもなく、どんな仕事でも末端があって、そんな仕事で果たして生活をしていけるのか?
映像関係の仕事をしている方に対して大変失礼極まりないのだが、自分には全く想像がつかなかった。
実はアニメ専門学校にも同じような考えをしている。
一応、親に軽く相談したら「受験の時は煮詰まってそういうことを言い出す」と軽くスルーされてしまった。
結局、映画は観るだけにして今に至る。
一方では、映像専門の学校に今でも興味はあって、どんなことをしているのか?も気になるし、何か楽しそうな雰囲気もする。
実際にはどうか知らないが、少なくとも外部の人間からはそんなイメージだ。
この映画は東京藝術大学大学院の修了作品ながら、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で審査員特別賞を受賞したらしい。
神奈川芸術大学で生徒による機材盗難事件発生。
事態を隠蔽しようとする教授陣は、現場にいた映像学科の助手・奥田に嘘の報告書を書くように命じる。
事なかれ主義の教授陣と、問題ばかり起こす学生達。
彼らに振り回される奥田の取った行動とは?
正直、出演者に有名人はいない。
しかし、話は大変面白い。
大した事件は起こらない。
悪気があるわけではなく、厄介ごとを穏便に済ませたい。
どこの職場でも大なり小なりあることだ。
だからこそ、リアルで笑えるし共感できるところがある。
ある意味、告発物とも言えるかもしれない。
淡々と進んでいくのに妙にテンポがよく、それでいて先が読めない緊張感と緊迫感。
予想外の傑作!
監督は坂下雄一郎。
これがデビュー作だそうで、次回作を期待したい。
そして、実際はどうかわからないけど、映像関係の学校の楽しそうな雰囲気を味わえたのも良しとする。
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