「小さいおうち」
昭和初期の東京。
赤い三角屋根のモダンで小さな家で見たのは美しい女主人の秘めたる禁断の恋だった。
中島京子の第143回直木賞受賞作を山田洋次映画化。
…といいながらも自分は未読。
毎回言っているけど、自分はここ最近漫画以外の本は読んでいない。
だから原作と比べたりすることはできない。
ただ間違いな言えることは、これは山田洋次版家政婦は見ただ。
ちなみに、この映画に出てくる家政婦は萌え系の作品に出てくるメイドとは全く違うので念のため。
ドロドロした男女の関係を描くかと思いきや、そこは山田洋次なのでそんなことはなく、むしろそこは意外に淡泊。
それよりも昭和初期から戦争に突入するまでの人々の様子をリアルに描いている。
「永遠の0」が自分の祖父の真実を調べていくのと同じように、この映画も若者が自分の大叔母の過去を調べていく。
この2作品を観れば昭和史完成といった感じか。
特筆すべきなのは、今の通説となっているような歴史と、リアルに生きていた人の感じた歴史がまるで違うところで、確かに戦前・戦時中は情報が制御されているので、必ずしも後でわかる事実が、当時に生きる人間が知るわけがない。
例えば今では戦争はいけないことであると思っていても、当時はそんなことを考えている人はほとんどいない。
そして、この映画ではそこをやんわり指摘しているのが極めて異例で興味深い。
出演は女主人役に松たか子(B85-W59-H85)、女中役に黒木華。
最近の松たか子は弾けた役が多くて演技が鬼気迫っていて良い。
黒木華の役は昔だったら蒼井優が起用されてただろうなあ。
その他、倍賞千恵子、吉岡秀隆、妻夫木聡…など山田映画御用達の役者が多数。
時々、外の風景の時は昔懐かしいカラーの色調になっているような気がするのだけど、それは深読みしすぎで考えすぎか?
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