.「エレニの帰郷」
もう随分昔。
家庭用ビデオデッキが普及し始めた頃。
15万円以上するビデオデッキは2種類あり、VHSかβのどちらかを選ばなくてはならなかった。
最終的にVHSを選ぶのが正解だとわかるのは随分後のことであり、消費者も迷うが企業も必死だ。
それぞれ、メリットを前面に押し出すセールスを展開している。
その中でも松下(現パナソニック)がβよりも長時間録画ができることを売りとし、深夜にむやみやたらと長い番組を放送していた。
そして、その中の一つが「シテール島への船出」の放送だった。
確かに上映時間が長いので録画をするには長時間録画が便利だ。
しかし、そんな松下の思惑はどうでもいいわけで、とりあえずゴールデンタイムどころか、NHK教育(当時まだBSはなかった)でも放送しないような映画を放送したら、そりゃあ録画するしかないわけで、これはこれで貴重だといえる。
そんな「シテール島への船出」の監督であるテオ・アンゲロプロス監督が……ってどうでもいい前振り長すぎ!
そんな彼の「エレニの旅」に始まる3部作の2作目が「エレニの帰郷」だ。
昨今、三部作というとファンタジーやアメコミばかりだが、それ以外にもあるってことやね。
ご存知の通り、アンゲロプロス監督は第3部を撮影中に交通事故で死亡しており、遺作になってしまった。
スターリンの死やベトナム戦争といった出来事を背景に、時代に翻弄されるヒロインと、彼女が愛をささげる恋人、ヒロインを愛するイ スラエル難民の関係を、映画監督であるヒロインの息子の視点でつづる…という話で、実は観にいったけど、実は自分は前作を観ていない。
ろくでもないシリーズは観にいっているのに、肝心なものは観ていないのよ。
アンゲロプス追悼という意味で、映画ファンとして観にいっておくのがいいかなあみたいな感じだった、すいません。
そもそもギリシア映画って、「007/ユア・アイズ・オンリー」しか観たことないし…ってあれは舞台になっているだけか。
ところが映画ファンのたしなみとして観にいっただけなのに、意外に面白く、しまった~「エレニの旅」を観ておけば良かった~と後悔することしきり。
« 「エージェント:ライアン」 | トップページ | 「エヴァの告白」 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 「A Film About Coffee(ア・フィルム・アバウト・コーヒー)」(2016.01.06)
- 2015年映画雑感(2016.01.05)
- 2015のダメ映画②(2016.01.04)
- 2015のダメ映画①(2016.01.03)
- 2015年日本映画ベストテン(2016.01.02)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント