「マイヤーリング」
オードリー・ヘプバーンが「昼下りの情事」と同年に主演したTV映画。
つまり厳密に言えば劇場映画ではない。
幻の作品と言われているのは、生放送ドラマだったからだ。
つまり、今のようにVTRで収録して放送していたわけではない。
役者が生で芝居をして、それを生放送していた。
つまりNG特集とかで笑える状態ではない。
失敗したら放送事故なのだ。
そう考えたら今はユルすぎるくらいユルい。
毎週生放送で全く疑問を抱かなかった「8時だョ!全員集合」は、今思えばかなり高度な番組だったことを思い知らされる。
当然、生放送のドラマなのでリアルタイムでしか見ることができない。
VTRがやっと出てきたような時代であり、テレビ放送の記録はブラウン管の映像をフィルムで記録していた。
当然、当時のテレビ放送の解像度を考えるとかなり画質が悪いに違いない。
しかし、今回、当時の録画技術で保存されていたマスターがHDで復元されたために劇場公開となる。
ちなみにテレビ放送はカラーだったが、記録はモノクロフィルムだったので復元版もモノクロでの上映となる。
おそらくカラーにするのも今の技術だったら可能だろうが、あくまで記録されたメディアの復元なんだろう。
話はオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフと男爵令嬢マリーとの悲恋を描いたもので「うたかたの恋」のドラマ化。
出演はオードリー・ヘプバーンとメル・ファーラー。
当時、夫婦だった2人が出演であることが最大の売りだったことは明らかだ。
正直、話は今の目線で見るとかなりゆったりした話で、正直面白いとは思えない。
自分もオードリーは好きだが、それ目当てではなく、ブラウン管を撮影したフィルムをどれくらいまで再現したかの方に興味があった。
思った以上に悪くない。
ひょっとして、これだったらバリー・ネルソン主演のテレビ版「カジノ・ロワイアル」も復元できるのではないかという淡い期待を持ったが、そもそも記録さえされてないような…。
« 「受難」 | トップページ | 「トリック劇場版 ラストステージ」 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 「A Film About Coffee(ア・フィルム・アバウト・コーヒー)」(2016.01.06)
- 2015年映画雑感(2016.01.05)
- 2015のダメ映画②(2016.01.04)
- 2015のダメ映画①(2016.01.03)
- 2015年日本映画ベストテン(2016.01.02)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント