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2014年1月 7日 (火)

「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」

Raiders 新・午前十時の映画祭で観てきました。
 年末年始に公開って正に1982年の再現でしょ。
 1981年12月に公開された正月映画の大本命と言われた、この映画だが実際公開してみると、意外や意外、興行的に「キヤノンボール」に負けてしまうことになる。
 確かに「キヤノンボール」と「エンドレス・ラブ」の鉄板の二本立て興行なので負けてしまっても仕方ないかもしれない。
 さらに日本映画は「セーラー服と機関銃」が公開され、あまりにも周りの状況が良くなかったかもしれない。
 しかし、「スター・ウォーズ」のジョージ・ルーカスが製作総指揮、「ジョーズ」のスティーヴン・スピルバーグが監督、主演がハン・ソロのハリソン・フォード、そして音楽がジョン・ウィリアムスと聞いてワクテカしないわけがない。
 映画ファンなら間違いなくこの映画を選択するでしょ。
 …とまあ、これが今から30年以上前の話だ。
 結局、再上映も含めて劇場で2回観て、今回が3回目となる。
 話は今更説明するまでもなく、神秘的な力を宿していると言う十戒の破片を納めた聖櫃をめぐって、ナチスと対決する考古学者インディアナ・ジョーンズの冒険だ。
 久しぶりに劇場で観て思ったのは、意外にゆったりした展開であること。
 初めて観た時は、これでもかという位危機の連続かと思ったのだが、今の目線で観るとそうでもない。
 昔懐かしい冒険活劇を現在に復活させたからと言えばそれまでなのだけど、どう考えても同じ時期に公開された「007/ユア・アイズ・オンリー」の方がスピーディーでアクションテンコ盛り。
 正統派冒険活劇と言えばそうだが、むしろ物凄くお約束な展開になっている。
 主役のジョーンズ博士も結構いきあたりばったりで、考古学のためには手段を選ばない外道なところもあったり、後のシリーズとはちょっとキャラが違う。
 そうはいいながらも、この映画にはスピルバーグとルーカスの映画への勢いというか情熱がギラギラしている。
 おそらく最も脂が乗っていた時期かもしれない。
 光と影の使い方はやりすぎ感もないわけでもないけど、やっぱり上手いと思うし、こんなオーソドックスな方法で真っ向勝負できる監督って今はそんなにいないと思う。
 ヒロインのカレン・アレンは美女とは思えないが、スピルバーグ映画に出てくるヒロインで美人なしなので仕方ない。
 この映画のヒットで「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」の2本の続編が作られるのはご存知の通り。
 「魔宮の伝説」は1作目とは違い、完全に遊園地型映画で、あまりにも中身のなさに眉をひそめる人もいるだろうが、自分は好きだ。
 「最後の聖戦」はインディの父親役でショーン・コネリーが登場。
 正にインデイと007夢の競演であり、どちらかというと「レイダース」の正統な続編っぽい。
 そして、スピルバーグの演出もギラギラしたものではなく、脂が乗って落ち着いてきた雰囲気があった。
 そして、これがおそらく娯楽映画の王様であったスピルバーグの最後であり、その後はじっくりと落ち着いた作品の映画作家となっていく。
 19年ぶりのシリーズ4作目の「クリスタルスカルの王国」は残念ながら色々な意味で終わっており、時代と大きくズレていることを認識させられた。
 今回の上映は当時を懐かしむと共に冷静に観る良い機会だったと思う。

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