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2014年1月 2日 (木)

2013年日本映画ベストテン

 今日は昨日に引き続き2013年の日本映画ベストテンです。
 正直、毎年感じることですが、TVシリーズの続編だけでなく、総集編とか、意味もなく前編後編とかいやでしたね。

 「ダメだなあ。日本映画は」
 「日本映画がダメじゃないんだよ。企画する連中がダメなんだよ」
 
 そんな会話がタマ子の家庭から聞こえてきそうだ。

 第1位「船を編む」

 10年以上かけて辞書を作るのと、主人公の成長がリンクしていく。
 長い年月で、人が成長していく様子が描かれているが、それは決して特別でもなく誰にでもありそうなところが妙にリアルだったりする。
 上映時間も短くないのに、それを感じさせない。

 第2位「もらとりあむタマ子」

 ぶっちゃけ何も起こらない。
 いや厳密に言うと映画的盛り上がりは何もない。
 見た目には大きな事件は起きないものの、細かいながらも盛り沢山の内容。
 そしてそれらは、大なり小なり誰もが経験したり共感できたりするものなのだ。
 くすっと笑えるところもあれば、ホロッと泣かせるところもある。
 じんわり染みてくる。

 第3位「はじまりのみち」

 前半は全てラスト15分近く続く木下映画のフラッシュバックのためだった。
 それまでの何気ない言葉や動きが全てここに集約!
 まるで「ニュー・シネマ・パラダイス」のキスシーンの連続を思わせるが、それを遙かに越えている。
 木下恵介のこれまでの仕事・思想が見事表現されているのだ。
 「陸軍」のラストの田中絹代の演じる母親よりも泣けた。
 「新・喜びも悲しみも幾年月」の大原麗子のセリフが戦時中から現在までの日本の歴史と想いが詰まっている。
 それは、日本で作られるいかにも説教臭い反戦映画よりも切実だ。

  第4位「横道世之介」

 1980年代の青春映画の傑作!!
 どちらかといえば、極めて〈普通の〉青春映画なのだが、物凄く面白く、見ていて懐かしく胸詰まるものがある。
 2時間40分という上映時間だが、間の取り方とか話の展開が絶妙で、最後まで飽きさせない。
 淡々と綴られる何気ない出来事が将来に大きく影響を与えていくのが、あまりにもリアルだった。 

 第5位「そして父になる」

 特に子供がいる人なら、へたなアクション映画やホラー映画より手に汗握るに違いない。

 第6位「地獄でなぜ悪い」

 正直、つまらない人にはとことんつまらないかもしれない。
 しかし、少しでも自主映画をやったことのある人間には、その心意気や切なさがビシビシ伝わってくる。
 目指すはホラーだったり、SF映画だったり、アクション映画だったり、観客の満足は二の次、まずは自分が満足することを前提に、自分らの好きな映画をひたすら再現しようとしている。
 そして根拠のない自信に満ちあふれており、チャンスさえあれば凄い映画を作ることができると信じている。
 そんなどうしようもなく熱い8ミリ映画野郎の気持ちを描いている映画なのだ。

 第7位「風立ちぬ」

 極めて違う次元に行ってしまった感じ。
 しかし、今世界で常にヒット作を作るテンションを維持する映像作家がどれだけいることやら。
 宮崎監督、引退は残念だけど、お疲れ様です。

 第8位「凶悪」

 
 骨の髄まで悪者を演じるのがリリー・フランキーが凄い。
 この一見さえない風貌で極悪非道なのが怖さ倍増。
 この映画の後で「そして父になる」を見ると、絶対に子供は殺されてしまうと思ってしまう。
 本当に悪い奴は悪いことを自覚していない。

 第9位「ばしゃ馬さんとビッグマウス」

 見果てぬ夢と現実をいかに折り合いをつけるか?
 この映画はあくまで厳しくそれでいてユーモアと暖かさを入れて描いている。
 努力したからハッピーエンドとか、偶然が偶然を呼んで大成功など、映画やドラマでありがちな展開にはなっていない。
 むしろ、現実世界にありそうな展開。
 この映画を観て、自分はそうならないと思うか、あ~現実はこんな感じだよねと思うかは人それぞれだが、少なくともクリエイティヴな仕事を考えている人は必見であることは言うまでもない。
 誰だ?麻生久美子(B80-W59-H83)の種馬になりたいといってる奴は?

 第10位「永遠の0」

 2013年末にかけこみの良作。
 よくありがちな反戦の話は前面に出ているわけではないが、それで特攻の無謀さをさりげなく描いている。
 推理小説仕立ての展開もダレずに最後まで観ることができる。
 ゼロ戦の空中戦は、意外に迫力があって良かった。

 上位10位に入らないけど、心に残った映画は以下の通り。

 「共喰い」

 田舎の閉鎖的な重苦しさと、家族という切るに切れない関係。
 そんなどうしようもないやるせなさが、これでもかと言うくらい全編に漂っている。

 「箱入り息子の恋」

 劇中で吉野家の牛丼を食べているシーンが印象的。
 ひょっとして牛丼を食べてるシーンで泣ける映画って「モテキ」以来か?

 「藁の楯 わらのたて」

 何よりもキャラが立ちまくりだったのが犯人役の藤原竜也で、徹底したクズっぷりの犯人を演じきっている。
 とにかく悪いことをしている自覚が全くなく、10億円もらわなくても殺したいと思わせるところが凄く、自分がSPだったらこんな奴を命を懸けたくないと思ってしまう。
 「十三人の刺客」でもそうだが、悪役が徹底して悪いと話は面白い。

 
 「東京家族」

 「東京家族」は「東京物語」をモチーフにしているが、リメイクとは言っていない。
 確かに似て非なるものである。
 しかし、「東京物語」の〈精神〉と要素を再構築しているのは疑いようがない。
 賛否が分かれる映画ではあるが、自分は悪くないと思っている。

 「HK/変態仮面」

 前から日本でもバットマンやスパイダーマンみたいな映画ができないものか?と思いきや、まさか「変態仮面」で叶うとは夢にも思わなかった。
 そりゃあ、女の下着を被っているだけで笑いは取れる。
 そんな小学性的発想なのに、実は極めて真っ当なヒーロー物であり、本質はバットマンやスパイダーマンに近い。
 何故、女性の下着を被って戦うのか?という命題が、アメコミのヒーローのコスチュームで戦う理由付けと同じ次元で語られている。
 それでいて、娯楽映画に徹しているのは見事!
 地上波ではまず放送は不可能だが、だからこそ劇場に行くという映画の本質にも言及している。
 満員に近い客席だと笑いが絶えることはない。
 ある意味、観客の一体感を感じることができる貴重な映画なのだ。

 明日はダメ映画の発表です。

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