「ばしゃ馬さんとビッグマウス」
学生時代から脚本家を夢見て、ばしゃ馬のようにがんばり続けるも、全く芽が出ない女性と、自信過剰で人の批判はするが自分は脚本を書かない男。
そんな2人が出会ってもうまくいくはずがないのだが、反発を繰り返しながらも徐々に距離が縮まっていく…。
そもそも世の中には小説家になりたいとか、漫画家になりたいとか言って、定職にもつかずバイトをやりながら見果てぬ夢を追いかけている人が意外に多いのに驚く。
そして、アルバイトを8時間して家で執筆活動をしているなら、正社員で働いても同じ、いや正社員の方が色々な面で得だと思うのだが、何故なのか?
同じような感じでプロの映画監督になりたいとかいって、アルバイトしながら自主映画を作っている人が80年代にゴロゴロいたのだが、結局、撮影日は出演者やスタッフの関係で休日になるし、撮影費用を稼ぐためにほぼ毎日アルバイトをしなくてはならない。
これだったら正社員で働いていた方が良いのではないか。
スポーツは目に見える実績でプロになれるかどうかわかるのだが、クリエイティヴ系はその基準がないため、自分がどれだけの実力かわからない。
そのため、自分はプロになれると思いこんでしまうのだ。
しかし、実際は一部の極希な例外を除き、年齢的な限界もある。
ある程度までの年齢になって芽が出なければプロになるのは無理。
あとは趣味程度でやっていくのが良い。
この映画に出てくる男女も正にそれだ。
真面目に頑張ったところでプロになれるかどうかは全く別だ。
かといって、論理は凄いし言っていることはもっともだが書かない脚本家もダメだ。
正直、観ていて痛々しい。
だけど、面白い。
見果てぬ夢と現実をいかに折り合いをつけるか?
この映画はあくまで厳しくそれでいてユーモアと暖かさを入れて描いている。
努力したからハッピーエンドとか、偶然が偶然を呼んで大成功など、映画やドラマでありがちな展開にはなっていない。
むしろ、現実世界にありそうな展開。
この映画を観て、自分はそうならないと思うか、あ~現実はこんな感じだよねと思うかは人それぞれだが、少なくともクリエイティヴな仕事を考えている人は必見であることは言うまでもない。
出演は麻生久美子(B80-W59-H83)と関ジャニ∞の安田章大。
監督は「純喫茶磯辺」「さんかく」の吉田恵輔。
この監督の映画は今のところハズレなしですよ。
そういえば、麻生はこの監督と一緒に仕事をするのは2回目か。
「純喫茶磯辺」のウェイトレス姿の美脚が忘れられない。
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