「武器人間」
前にも言ったが、世の中にわかりやすい悪の組織は存在しない。
だからといって仮想敵国を作ると問題ありだ。
だから宇宙人が出てくるわけなのだが、便利な反面、現実味に欠けるものがある。
そこで、便利な存在がナチスだ。
地球規模でどこの国さえも認める悪であり、悪いことはなんでもやっていると思われている。
そのため、色々な映画でネタになりやすく、荒唐無稽なことでも「ナチスならやってるかな」と思わせる説得力がある。
21世紀でもナチの残党とか言われれば納得してしまうのだ。
そんなわけで、この映画はナチスのマッドサイエンティストが、死体に様々な機械を合体させた不死身の兵士を大量生産して ロシア軍を相手に大暴れ…というもので、ロシア軍の偵察部隊が記録したフィルムという設定のPOVスタイルで構成されている。
しかし、第二次世界大戦末期の時代設定なのに、カラーでどうかんがえてもデジカメで撮ってそれっぽく合成しているような感じだ。
いや、それ以前にPOVの意味が全くない。
むしろ手持ち撮影が揺れすぎて気持ち悪い。
さらにロシア人といいながらも流暢な英語。
一体どうしたいんだ?
ツッコミ所満載だが、どうしたいかは至って簡単。
武器人間を見せたいだけなのである。
物語や演出は後付け。
確かに出てくる武器人間はかっこいい。
だけど、映画そのものが面白くないのが致命的だ。
出演は「ヘルボーイ」のカレル・ローデン。
監督は本作が長編デビューとなるリチャード・ラーフォースト。
頑張れば続編もできそうだが、その時はPOVはやめた方がいいよ。
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