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2013年11月26日 (火)

「くじけないで」

Kujikenaide 90歳を過ぎてから詩作を始め、98歳で刊行された処女詩集「くじけないで」が一大ベストセラーとなった詩人・柴田トヨの人生を映画化。
 実はそんな人物がいることを知らなかった。
 残念ながらこの映画を観て彼女がどれだけ凄いのかが全くわからない。
 何故なら半分以上は定職につかずぶらぶらしている彼女の息子の話ばかりだからだ。
 そもそも90歳から詩作をやり始めて、10年程度では、高齢で始めた以外の付加価値はなく、それまでの人生は極めて一般人と大差ないわけだ。
 彼女の過去と現在が交互に描かれるのだが、それが詩作にどう伝わるかはあまり関係がない。
 貧乏で奉公に行くのは「おしん」とかぶりまくりで、前にこんなの見たなとデジャヴを感じるのだ。
 そうなると、彼女の作品がいかに凄いかを描かないと伝わらないし、おそらく多くの人が知っている前提は成り立たないと思う。
 ところが、この映画に出てくる彼女の詩を聞く限り、何がどう凄いかわからない。
 それよりも、どうしようもないバカ息子を育てた教育方針に問題があるように思える。
 彼女の息子は「本当はやさしい」ばかり強調されているが、それは一般的には極めて普通であり、どんだけ低レヴェルの話をしているんだ?…ってことになる。
 それに最初は同人誌で出版らしいけど、今時自費出版は大した金額なわけもなく、明らかにバカ息子が定職についてればすぐに出版できたのでないかなと思ってしまう。
 主演は八千草薫。
 監督は「60歳のラブレター」や 「神様のカルテ」など良い話の映画化専門のイメージが強い深川栄洋。
 とにかく、100分程度にまとまる話を128分で、またそんなに面白いわけでもなく、正直、マジでくじけましたわ。
 
 

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