「かぐや姫の物語」
本当なら2013年7月20日公開で「風立ちぬ」と同時公開のはずが、やっぱり公開が遅れて11月公開。
ま、ここらへんは想定範囲内ってことで。
「ホーホケキョとなりの山田くん」以来14年ぶりの高畑勲監督の新作は「竹取物語」をベースとしたかぐや姫の話だ。
かぐや姫ネタだと恐竜が出てきたり「未知との遭遇」のマザーシップみたいな宇宙船が出てくる東宝50周年の映画を思い出す。
誰もが知っていて話が単純なので映像化しやすいのかもしれない。
そんな「まんが日本昔ばなし」で15分以内で終わりそうな話を131分で描いている。
当然、子供はダレまくりで喋りだすし歩き回ったりしている。
それどころか、大人でさえもダレまくっている。
ジブリでかぐや姫の話だからといって、子供を連れてきている人も多いが、この映画は間違いなく10歳未満は観ない方が良い。
何故なら子供が喜ぶような要素はない。
そもそも原作そのものに面白い要素は微塵もないから当然だ。
一般受けは間違いなくしない。
ジブリの映画で初日なのに劇場はガラガラだ。
まさに「ホーホケキョとなりの山田くん」の再来だ。
しかし、残念ながらつまらないとかで一刀両断にはできない。
何故なら滲み出るような面白さと良さがあるし、それが伝わってくるからだ。
どんだけ手間暇かかってるんだというような水彩画のような絵。
萌えからほど遠いようなキャラクターデザインだが、主人公のかぐや姫はちゃんと萌えの要素が存在する。
それも子供の頃から年頃まで、ロリから美少女までそれぞれの要素を満たしている。
意外にいい味出しているぞ、かぐや姫のおつきの人(笑)
話は誰でも知っている話で、ぶっちゃけ予告がダイジェスト版だ。
それでも幼なじみとの淡い関係や、かぐや姫を育てる両親の話は大人目線だと納得できてしまう。
それにどことなく1960年代の東映動画を思わせるものがあって、これはこれで好きだ。
結論から言えば嫌いじゃない。
むしろ、やりたいことが伝わってくるし、今の時代こういうことができたことは凄いと思う。
ただ残念なのは、これが多くの人には伝わらないことだろうなあ。
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コメント
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こんにちは。
鈴木プロデューサーは『アルプスの少女ハイジ』との類似性で売ろうとしているようですけど、どちらかというと1968年の高畑監督のデビュー作『太陽の王子 ホルスの大冒険』を思い出しました。
高畑監督は自分では絵を描かないので、ジブリ作品というと宮崎駿氏の絵柄(もしくはそれを受け継いだ絵柄)を思い浮かべがちですが、本作は彼らの先輩森康二氏の絵を彷彿とさせますね。そんなところも60年代の東映動画風でしょうか。
投稿: ナドレック | 2013年11月23日 (土) 21時19分