「ペコロスの母に会いに行く」
長崎在住の漫画家・岡野雄一の同名エッセイ漫画を映画化。
認知症の母と息子の話。
認知症の母親の奇行は昔なら笑っていた自分だ。
この映画だって昔だったら笑えたかもしれない。
ボケた母親を見て微笑ましいと思ったかもしれない。
とっころが、実際に身内に認知症が出てくると笑えない。
むしろ悲しくて泣けてくる。
そもそもテレビで笑いのネタになっているボケ老人は氷山の一角にしかすぎない。
赤の他人で少しの時間なら微笑ましいですむのだが、四六時中だと周りの家族がまいってしまう。
この映画の母親も笑えるように描かれているが、家族の振り回されっぷりはハンパないものがある。
施設は料金が高いものの、家族の負担を考えたらありだ。
まあそんなことを考えながら観ていたのだが、それだけだったら気分がしこたまブルーになっていくのだが、この映画はそれだけでなく母親の若い時も描いている。
確かに年寄りは最初から年寄りではない。
当然、子供の時代から成人して今に至るわけだ。
ちょっとリアルだったのは認知症の人は過去の記憶を現実生活とシンクロさせようとしていることだろう。
これは真剣周りが迷惑なのだが、ふと思うと人間の思考はある程度の年齢までいくと巻き戻しをして再現するのかもしれない。
新しい記憶は入らないし、一番記憶力の良いときの想い出だけ残ってしまうので、ループしてしまうのかもしれない。
そんなことを考えてみても本人は良くても周りは困るんだけどね。
そしてそれは自分の将来の姿でもあるのだ。
年取るのは怖い。
若くなる薬があったらマジで買うわ。
ちなみに、息子は漫画家らしいのだが、最終的にはやめるとはいえもっと真面目に働けよ。
ドラマやマンガで出てくるダメ社員って物語では笑えるけど、実際にいたら迷惑極まりないのだ。
監督は森崎東なので、手堅い演出をしている。
「くじけないで」も彼だったらもうちょっとうまくまとめたのではなかろうか。
出演は岩松了、竹中直人、温水洋一とハゲばっか(笑)
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