「今日子と修一の場合」
かつては「円盤戦争バンキッド」もしくは「スター・ウォーズ」の日本語吹替版でハン・ソロの声の人としてしか認識していなかった奥田瑛二だが、今やすっかり映画監督としても大活躍している。
そんな彼の監督作品5作目は実の娘夫婦でもある安藤サクラ(B83-W64.5-H90.5←本当か?)と柄本佑を主演に、東日本大震災の被災地を故郷に持つ2人の若い男女の話だ。
今日子は、夫が病気のため、保険外交員の仕事をやるのだが、成績が上がらず上司や顧客とやってしまう、家族にばれて家を追い出されるハメに。
東京に出てきた彼女は、キャッチにつかまり、やはりここでも体を売って生活することになる。
修一は大学進学を目指して浪人生活を送っていたが、父親の暴力から母親を守るために父親を殺して少年刑務所に服役。
出所後は、東京の小さ な工場に住み込みで働き始める。
そして3月11日、東日本大震災が発生し、2人の故郷も被害に遭ってしまう。
ちなみに実生活が夫婦だからといって、2人が夫婦とか恋人役とかそういうわけではない。
あくまでも別々に話が進んでいき、最後は同じ被災地にいるというもの。
しかし、それでも接触するものではない。
つまりそれぞれの人生は波瀾万丈だが、出身地は同じというだけで、絡むようなことはない。
まあ、実際はこんなものだと思えばリアルといえばリアル。
ただ、修一の話は盛り沢山なのに、今日子が妙に現実味がない。
彼女の行動が少し突飛な感じがしてしまう。
それでも説得力があるのは、安藤サクラが美人でないところで、実在しそうな感じが、彼女のエピソードをもっともらしくしている。
いそうなんだよ、生保レディとか風俗にああいう顔。
それでいて、妙にエロさを感じるところとかね。
ぶっちゃけ、震災ネタはあまり好きではないのだが、この映画の場合、重要なのだけどさりげないところに怖さがあった。
奥田瑛二の映画は作るごとに面白くなっているので、次回作も期待してしまう。
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