「男子高校生の日常」
どうしてもアニメと比べてしまう。
そして、結論から言うとアニメの方が絶対に面白い。
何故なら、実写映画の方はこの漫画の本質を理解していないから。
そもそも原作の根本は、ちょっと中二病も混じった極めてどうでもいいこと男子高校生の滲み出るような笑いを描いたものであり、どこまでいっても男子高校生の〈日常〉でしかないのである。
そして、これは少年漫画によくありがちな女子にモテたいとかが中心のものではない。
もちろん健全な男子であるため、そういう気持ちもないわけでもないのだが、少なくともそれを中心にした話展開は、この漫画の根本から大きく離脱していることになる。
部活シーンや恋愛といった劇的な展開すら起こらない、リアルな日常をテーマしているはずなのである。
しかし、残念ながら実写版であるこの映画は、それをわかっていない。
文化祭が女子校との共同開催となり、女子を意識した行動を男子が取るのだ。
これでは、どこにでもあるような学園漫画と何も変わらない。
そもそも文化祭という学校ネタで一番ネタにしやすいものを持ってきた時点で、本質からはずれている。
一応、日常のどうでもいいような会話をして笑いを取ろうとしているのだが全く笑えない。
何故ならツボを見事にはずしているから。
脱力系とか日常系はうだうだしているだけではないのだ。
どこかに共感が持てるものでなくてはならない。
結局、この映画はモテない男子をいじっているだけでしかなく、そしてそれは原作の描こうとしているものとは全く違うものなのだ。
文学少女とのやり取りもアニメの方が遥かに面白い。
出演は「仮面ライダーW」の菅田将暉、「仮面ライダーフォーゼ」のメテオ役の吉沢亮…と特撮ファンには嬉しいキャスティング。
監督は「アフロ田中」の松居大悟。
色々な意味で残念な結果になってしまったが、唯一の救いは上映時間が85分と短いところか。
あと凸面鏡美人の奈古さんが出てこなかったのは、実写での描写は不可能だからか?(笑)
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