「大統領の料理人」
大統領周辺の仕事と言うと、SPを真っ先に思い浮かべてしまう。
映画に出てくるのは話が転がしやすいのでSPがネタの映画は目白押しだ。
しかし、実際には色々な仕事があるわけで、当然、受付や掃除の係だってそうだ。
この映画に出てくるのは大統領の料理人だ。
ミッテラン大統領のプライベートシェフに抜擢された女性シェフの話だ。
男社会の厨房なので、当然反発や妬みがあるわけで、それに屈することなく、食を追求し、やがて大統領の心もがっちり掴んでしまう…という定番な話展開と思いきや、実はそんな単純な話ではなくほろ苦い要素も否定できない。
どこの職場でもそうだが、〈新しい風〉と称して色々な改革をやろうとするが、当然反発はあるし、今までのやり方もあるからそうすんなりとはいかない。
国のトップである大統領だから何でもありかといえば決してそうではない。
当然、予算や方針など制限がある。
もちろん、その制限の中でやり遂げるのがプロであることは言うまでもないだろう。
グルメ漫画みたいに美味しければ何でもOKかというとそういうわけではないのだ。
主人公の女性シェフは大統領に喜んでもらうために頑張るのだが、方向的には正しい。
だけどやり方はもうちょっと努力が必要。
これはもうどこの職場でも同じであり、これに対して大人は汚いと思えるのはまだまだ若い証拠かもしれない。
すっかり荒んだ社会人の自分だと、やっぱこうなるよなあと思い、ちょっと気分はブルーに。
もちろん、それも含めて面白い映画ではあるのだけどね。
出演はカトリーヌ・フロ、ジャン・ドルメッソン、イポリット・ジラルド…って誰やねん?それ。
今のフランスの俳優ってジャン・レノとソフィー・マルソーしかわからないよ。
監督のクリスチャン・ヴァンサンも全く知らない。
フランス映画というとリュック・ベッソンの映画ばっかだけど、たまにはこの手の映画も良い。
料理が美味しそうだけど、さすがに映画の帰りに食べれるものではないな。
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