「謝罪の王様」
「あまちゃん」ですっかり有名になってしまった宮藤官九郎だが、残念なことに映画ではイマイチである。
特に自分が監督してしまうと不思議なことに面白くない。
脚本を書いて、誰かに演出してもらうのが一番良い形になる場合が多い。
この映画は「舞妓 Haaaan!!!」「なくもんか」を手がけた主演・阿部サダヲ、脚本・宮藤
官九郎、監督・水田伸生のトリオが再びタッグを組んでいるというのが最大の売りだ。
ケンカの仲裁から、国家存亡の危機まで、謝り倒して解決していく間のトラブルま で、大小さまざまな問題を架空の職業“謝罪師”の話で、6つのエピソードで構成されており、それらが最終的にはつながっていくという展開。
「半沢直樹」で土下座がブームで、「あまちゃん」の作家で、奇しくも公開日が「あまちゃん」の最終解放送日という、話題にことかかない状況とくれば大変期待してしまう。
ところが、阿部サダヲ、クドカン、水田伸生の映画は共通して最初は面白く、後半はうだうだで収拾つかない展開が多い。
そして、この映画も例外ではなかった。
最初はそれなりに面白いのに、後半あたりからすっかりテンポが悪くなる。
オチもなんとなく見えてきているのに、引っ張りすぎ。
せめてもう一ひねりあるかと思いきや、全くないのでダレまくってしまうのだ。
そもそも謝罪師の謝罪テクニックがあまり説得力がないので、そのため後半の国家間の謝罪になってくると大風呂敷を広げすぎて白けてきてしまうのだ。
まあいつも通りといえばいつも通りなのだけど、「あまちゃん」と同じものを求めてきてししまった人は超肩透かしかもしれない。
最後のPVはそこでエンドロール全部終わらせればいいものを、別にスタッフロールをつけているのでダレまくり。
最後の最後にこのダレまくった状況の謝罪が入れば笑いとしてはありだったんだけどなあ。
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