「そして父になる」
観てきたよ、「そして乳になる」いや「そして父になる」。
そもそも一般生活をしていて、宇宙人や怪獣が襲来して町中を破壊していくことは、おそらくない。
だから、それらの映画を観ていても、自分らはどこか余裕があり他人事だ。
しかし、生活に根ざして、ありえそうなことは映画的には地味だが、身につまされるものがある。
この映画はある日突然、6年間育てた息子が病院で取り違えられた他人の子どもだったと知らされた対照的な2組の夫婦の話だ。
そもそも男子目線だと、子供が本当に自分の子供かどうかなんてわからない。
かといって血液型を調べて納得していることが多いはず。
DNA鑑定までしたら、今度は夫婦仲がピンチだ。
だけど、宇宙人や怪獣が襲来するより遙かに確率は大きく、自分がその立場だったらどうするか?と考えると他人事ではなく真剣に考えてしまう。
この2組の夫婦は何もかも正反対。
片や順調に勝ち組人生を歩んできた大手建設会社のエリート社員、片や小さな電器店を営む貧乏でさつな夫婦。
とりちがえられた子供にとっては、生活がごろっと変わってしまう。
いや、親にしても生活環境が違うだけで子供は変わってしまうものかと実感してしまうに違いない。
果たして血のつながりか、過ごした時間か?
どちらも筋が通っているが、100%納得できるものではない。
映画を観ている人も、自分ならどうするかを真剣に考えてしまう。
特に子供がいる人なら、へたなアクション映画やホラー映画より手に汗握るに違いない。
今の時代、病院での取り違えなんてあるのか?と思っていたら、そこは意外な理由でびっくり!
そりゃあ仕方ないわと思う反面、そんなのありかよ?と思ってしまう。
出演は、金持ち夫婦役に福山雅治と、尾野真千子(B80-W58-H86)、貧乏夫婦にリリー・フランキーと真木よう子(B83-W59-H83)。
貧乏子沢山でがさつな夫婦のお父さんを演じるリリー・フランキーが滅茶苦茶リアルで、こんな人が近所にいたよ。
だけど、真木よう子みたいな嫁さんがいたら、そりゃあ貧乏子沢山もやむなしかな。
まあ、とりあえず貧乏はダメであることがよくわかったよ。
監督は「歩いても 歩いても」や「空気人形」の是枝裕和監督。
先行公開だけで上映される特別映像は全くどうでもいいものなので、あまり期待しないように。
第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で審査員賞をもらった様子なんか別になあって感じですよ。
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