「天国までの百マイル」
「鉄道屋」とか「極道懺悔録」、「ラブ・レター」とか浅田次郎の原作の映画って正直どれも面白くなくて困ってしまうのだが、世間一般では彼の作品は評判が良い。
「鉄道員」なんかは東映の久々のヒットだそうだが自分はこの映画への不満は多い。
そんなわけで浅田次郎原作の映画化である「天国まで100マイル」である。
出演は時任三郎と大竹しのぶ。
この二人の共演は傑作「永遠の1/2」以来か?
相変わらず浪花節というか泣かせようというかそういうのが全開している映画で、それが浅田作品の神髄だといわれそうだが、やっぱりそれが見えるのはよくない。
母親を160キロ先の病院に運ぶいわゆるロードムービーなのだが、たかだか車で160キロだしなあ。
別に時間との競争でもないのだから緊迫感もないし、飯食ったり海を観たりと余裕があるわけだし・・・・・・。
この映画のいやなところは泣かせようとか感動させようとかの作為的なものがプンプン漂ってきているところだ。
途中で金貸しにガソリン代を借りるエピソードがあって、金貸しはぶつくさいいながらも実はいい奴で、病気の母親の運び方の工夫を教えたり、金も財布ごと貸したりしてくれるわけだ。
ね、ちょっといい話っぽいでしょ?
本当は観ている方もそこにポイントを置かなくてはならないわけなんだけど、どうしてもガソリン代も持たずに走っている主人公のずうずうしいというか甘えた考えに腹立つわけだ。
だったら始めから同棲している大竹しのぶ扮するホステスに金借りればいいじゃんって思うわけよ。
この映画のクライマックスはおそらく主人公とホステスの電話でのやりとりなのだが、伝わらないんだなあ、これが。
これは「ラブ・レター」の手紙をえんえんと読んでいるシーンと共通すると思うのだが、おそらく文章で読んでいると泣かせるのだろうが、映画だと映像がくっついているためによほどうまくやらないと成功しない。
ところがこの映画ではそれが成功していない。
その原因は主人公とホステスの関係がきっちり描かれていなくて、話の大筋は病気の母親を運ぶことに集中しすぎているからだ。
だから当然の話、ホステスとその対照的な存在である主人公の別れた妻の設定がほとんど生きていない。
また主人公もどうしようもないが共感のもてる奴なら感情移入もできるが、本当にただのどうしようもない奴でしかないので見ていて腹が立つ。
おそらく、違う演出と違う出演者でもっと良くなる映画だと思う。
ちなみにチーム・オクヤマ制作なので、どっかに出てるんだろうなあと思ったら案の定いました>羽田美智子(笑)
奥山さん関係に映画は羽田ちゃんがどこに出ているかを探すのが通ってもんです(すぐわかるんだけどさ)
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