『映画「立候補」』
金払っても見たいドキュメンタリー映画とは、テレビでは絶対にやらないようなネタで、出てくる人が強い信念を持って痛い奴を追いかける作品だ。
「ゆきゆきて、神軍」はあぶないネタと強烈なキャラの両方揃った稀に見る傑作であり、さらに劇場の外で街宣車が待機しており、映画も映画を観ている環境もドキドキだ。
この映画は最初から当選の見込みのない立候補者達の選挙戦を追うドキュメンタリーだ。
選挙権があれば、立候補する権利もある。
中には当選しないことがわかっている、もしくはどう考えても当選しなさそうなのに本人は当選する気満々の候補者もいる。
スマイル党総裁のマック赤坂、政権放送がYouTubeで150万回再生された外山恒一、 落選歴15回の日本記録を持つ羽柴秀吉。
この映画は特にマック赤坂を中心に追いかけている。
久しぶりにネタとキャラクターが際だっていて面白いドキュメンタリー。
思った以上に編集がうまい。
歯切れがいいし、ドキュメントでお馴染みの会話が聞こえないということもなく、そんなところもテロップ処理をしているのが有り難い。
実はこの映画を観るまで立候補するのに300万円の供託金を支払うことを知らなかった。
ま、正直彼らが当選することはないと思う。
明らかに落選することがわかっているのにもかかわらず300万円払う意味がわからない。
2011年11月は橋下徹が仕掛けた40年ぶりの大阪府知事・市長選挙が行われた。
維新か反維新かで世論が二つに分かれ、日本中が大騒ぎの中に、場違いな泡沫候補たち。
彼らが当選することはない。
申し訳ないが、単なる目立ちたがりにしか思えない。
そして、彼らがどんな思想を持っているかはしらないが、万が一当選したところで、彼らは何もできないような気がする。
何故ならどれだけ大したことができなくても、やっぱり政治家はそれなりに考えている。
彼らがもし本当に当選したいと思っていたら、やはり奇抜な行動よりも、今まで当選している人のように〈正攻法〉でやるべきなのかもしれない。
監督は藤岡利充。
見所は橋本徹や阿倍 の街頭演説にマック赤坂が突撃して直接対決するシーンかな。
あの緊迫感は凄い。
それでいて格の違いを感じさせられた。
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