「風立ちぬ」
かつては、作る映画にハズレなしと言われていた宮崎駿だが、「崖の上のポニョ」で、無敗伝説崩壊!
今回の新作は果たしてどうか?
零式艦上戦闘機の設計者として知られる堀越二郎の半生を、堀辰雄の小説「風立ちぬ」のエピソードを盛り込んだもので、実在の人間を使ったファンタジー……だと自分は思っている。
夢と現実の世界が行ったり来たりする摩訶不思議な感じで、色々なエピソードをぶったぎってつないだような感じだ。
そこには、物語の起伏はまるでない。
淡々と登場人物の生活描写がえんえんと続くだけなのだ。
技術的には凄いところもあって、例えば関東大震災の描写は生々しく隅々の人まで動いている。
まるで昔の日本映画を再現しているような雰囲気とか悪くない。
しかし、残念なことに話が全く盛り上がらない。
描きたいことは伝わってくるし、大人なら理解できると思う。
ところが、ジブリ=トトロやラピュタみたいなものを期待してやってきた親子連れは御愁傷様としか言えない。
何しろ、全く子供相手に作った内容ではないからだ。
だから、子供によっては、2時間以上は苦行スイッチを入れなくてはならない、
この映画の最大の話題である主演の声にを庵野秀明が抜擢されたことは、、残念ながら大失敗だと思う。
実際にはしばらくすると慣れてくるのだが、他の人とのバランスが悪すぎる。
これはもう本職の声優とかタレントがどうこうではないと思う。
効果音を人の口で作るのは違和感なし。
というか、夢の中や震災など普通ではないところが中心なもで、そんなもんかと思ってしまう。
それに、「ポリスアカデミー」で、人間効果音があったので今更なのだ(笑)
音がモノラルも別にどうでもいい。
誰も気にしてない。
キューブリックの映画だって、結構な年代でもモノラルだったし。
まあ、それなら画面サイズをスタンダードにするとかもあって良かったかも。
色々深読みもできるだろうが、映画としては面白くない。
おそらく、監督もそれはわかっている。
だけど、それでも作れて、それなりの興行成績を出せるのが実力なんだろう。
個人的には、4分の予告編が一番良かったと思う。
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