「終戦のエンペラー」
映画やドラマにおいて、日本の皇室がネタになるのは極めて少ない。
イギリスの王室は、本人が現役で活動で、若干批判的な感じの話でもOKみたいな感じだ。
おそらく、考え方の違いなのかもしれない。
そして、最大のタブーは天皇の戦争責任についての追求だろう。
これに関しては色々な議論が分かれるとことだが、基本的にはそれについては触れないのが現状だ。
しかし、日本人はそうであっても、外国人は別だ。
何しろ極東の小さな島国のことでしかないからだ。
特に太平洋戦争前後だと、よくわからない不思議な国というのが一般的で、もっと言えば宇宙人と接するような感じだったかもしれない。
何しろ言葉はもちろん、文化も思想も全く違うのだ。
この映画は、敗戦直後の日本を舞台に、日本文化に精通しているボナー・フェラーズ准将が、マッカーサー元帥から、たった10日で太平洋戦争における天皇の戦争責任の有無を追求する話で、調査を進めていくうちに、日本国民です ら知らなかった太平洋戦争の真実が明らかになっていく。
自分は図書館で太平洋戦争前後の新聞記事を読んだり、周辺の記録を読み捲っていたので、いかに描くかが興味深かったが、基本的には史実を元にしている。
日本が舞台の外国映画にありがちな間違った描写は極めて少ない。
歴史の真実を追求するものかと思いきや、半分位は恋愛話だった。
ドキュメンタリーじゃあるまいし、恋愛パートが良いクッションになってメリハリがつくので、役割的にありかもしれない。
正直、ひたすら地味だけど、自分は結構好きだな。
出演は、日本ではコーヒーを飲む宇宙人の印象がかなり強いトミー・リー・ジョーンズ。
同じ時期に公開されている映画ではメリル・ストリープが演じる嫁とのセックスレスについて悩んでいる旦那役なのに、今回は当時、日本で一番偉い人だよ。
監督は「真珠の耳飾りの少女」「ハンニバル・ ライジング」のピーター・ウェーバー。
上映時間が、この手の映画では珍しく2時間以内だが、長ければ良いと言うものでもないしね。
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