「恐怖と欲望」
名匠と言われるスタンリー・キューブリックのデビュー作は「非情の罠」とされているが、実は最初期の幻の監督作品があったらしい。
彼自身があまりにもアマチュア臭いということで封印したらしい。
もちろん、大物監督も最初から大物ではなく、見えないところでせこい仕事をしていることはあるだろう。
下っ端としてパシっていた可能性も大きい。
作品だって選べる立場ではないかもしれない。
そして不本意な仕事をしてしまい、有名になったらその過去を隠そうとするかもしれない。
しかし、そんな思いも本人が亡くなってしまうと関係なしなのかもしれない。
「恐怖と欲望」は1952年の映画で、どこかの国で起こっている戦争中に敵地にとり残された4人の兵士が筏を作って河を下り脱出を試みるが、偶然に、敵の基地を発見!
奇襲をか け敵の将軍を殺す計画を練る……という話だ。
う~ん、言われてみれば、確かに表現がアマチュア臭い。
いかにもマニュアル通りの演出してま~すという感じだ。
極限状態での行動も「フルメタル・ジャケット」の方が洗練されている。
出来に不満を抱き、プリントを買い占め、自らの手によって封印してしまったという話もわかる。
しかし、その努力も死んだらその努力も意味なし。
ただ、最終的には名匠と言われるくらいの監督になったんだから、これはこれでバカにされるとは思えないし、価値はあると思う。
ただ、これだけの一発監督で終わったら評価されないだろうなあ。
そこまでの秀作ではないし、これはもうスタンリー・キューブリックという名前があってこそなのだから。
「俺もあの時はまだまだ若くてさ~」と笑い飛ばせばいいと思うのだが、これも完璧主義のキューブリックだからこそなのか。
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