「ローマでアモーレ」
映画業界の元気な年寄りといえば、クリント・イーストウッドとウディ・アレンを真っ先に思い出す。
イーストウッドの監督作品は毎回それなりの評価を得ているが、ウディ・アレンはムラがあるものの細く長く作品を発表している印象だ。
もちろん、70年代や80年代がピークという意見もあろうが、また最近盛り返してきている感じがする。
「ミッドナイト・イン・パリ」を観ると、まだまだいけぜ、このジジイと思ってしまうのだ。
アメリカから飛んできた元オペラ演出家。
恋人の親友である小悪魔な女優の虜になってしまう建築家の卵。
田舎から上京した純朴な新婚カップルと、その宿泊先に何かの手違いでやってきたセクシーなコールガール。
ある日突然、大勢のパパラッチに囲ま れ、大スターに祭り上げられた平凡な中年男。
ローマを舞台に4つのエピソードが交錯する…。
パリとかローマとか、観光映画か!…と思ったが、ウディ・アレンの映画は観光映画の時が遙かに面白い。
そして、今時、いや今だからこそ、大人の色艶コメディは新鮮であり、それができるのはウディ・アレンだからこそだろう。
6年ぶりに監督自ら出演しているが、相変わらず神経質な役は毎度お馴染み。
彼が演じる元オペラの演出家がローマで見出したのが、シャワーの時に歌うと上手い男で、普通には緊張して歌えない。
そのため、舞台にシャワーを設置して歌う…とかドリフのコントかと思ったが、逆に浮かなくし違和感がないのが演出の賜物か。
狂言回し的に登場するアレック・ボールドウィンが昔と全く違う恰幅ぶりだが、「ボギー。俺も男だ」を思わせるものがあり、かなり良かった。
セクシーコールガール役にペネロペ・クルス。
もう彼女っていい年なんだけど、また熟した色気が良いわけだ。
その他、エレン・ペイジも悪くない。
普通の中年男が何故有名人扱いかはよくわからないが、何気に物語の展開の良いクッションになっている。
ウディ・アレンの映画としては意外に長時間(そうはいいながらも普通の映画と同じくらい)も珍しいが、これだけ盛り沢山の内容だと妥当かな。
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» 「ローマでア・モーレ」 [ここなつ映画レビュー]
ウディ・アレンは、自身の回顧趣味と若者(中年を含む)へのエールを上手くミックスした作品が最近多いように思う。今回のテーマは(きっと、多分、)「夢が叶ったら」。夢が叶った後どうなるか、その後行き過ぎていく中で夢が覚めたらどうなるか、をアイロニーも含めて描き出している。
昔はそうでもなかったのに、ウディ・アレンの作品最近すごく好き。私も年をとったという事か。それとも私って意外とスノッブなヤツだったのか…(笑)。
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