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2013年6月29日 (土)

「攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain」

Arise1 同じ登場人物を同じ役者が演じて、同じ設定を大きく踏み外さないことがシリーズ物の面白さだ。
 だから、役者が変わった時点で違和感を感じてしまい、一気に冷めてしまうこともある。
 主演役者はちやほやされ天狗になってしまうのは仕方ないかもしれない。
 ところが、シリーズ物=人物固定ではなく、世界観であるという見方が強くなってきている。
 その最たる例が007シリーズであり、最初はジェームズ・ボンド=ショーン・コネリーしかないと思われていたが、シリーズが進むに連れ、主演は誰でも良いということがわかってくる。
 もちろん、それなりの力量はいるが、登場人物は記号であり、それよりも大切なのは物語の世界観なのだ。
 そして、その世界観にぴったり合わせてくれる役者が重要であり、話も基本設定をきちんとおさえていれば何をやってもOKなのである。
 これはアメコミや、かつての人気シリーズの復活でよく使われることとなり、リニューアルとかリボーンという便利な前提を使用して新作が作られていくことになる。
 攻殻機動隊は押井守の映画とTVシリーズのSACが傑作として認識されている。
 声の出演者も共通している。
 おそらくこの世界観で作っていけば安定した人気を得ていくことは言うまでもない。
 今回、4部作の新シリーズができることとなった。
 当然、多くの人は期待してしまう。
 何しろ、公安9課の創設にいたる話や、草薙素子の9課に来るまでの過去を中心に描いているからだ。
 ところが、何故か、キャラクターデザインが今までと違うし、一番ツッコミをされやすい声の出演者を変更しているのだ。
 もちろん、誰かが死んだとかいうわけではない。
 この感覚は「ルパン三世 風魔一族の陰謀」でメインの声優が変わってしまうくらいの衝撃があるの違いない。
 例えば、草薙素子の声は坂本真綾だ。
 もうこの時点で拒否反応が出る人もいるかもしれない。
 音楽もコーネリアスだ。
 自分は、あまり深くこだわらない方なので、これはこれで面白いと思った。
 いわゆるパラレルの世界で、攻殻ビギンズ物と考えればこういう解釈もありだと思う。
 坂本の声も、今までと比べて極端に違うわけでもないし、そういえば映画の少女モードの声も彼女と思えば筋は通っている。
 自分的には「マルドゥック・スクランブル」の冲方丁が脚本なので観にいったというのもある。
 一応、攻殻機動隊の精神(ゴースト)は生きているし、それさえきちんとしれいれば声や音楽なんかは、それこそ義体ということで納得したのだけどダメっすか?
 
 

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