「100回泣くこと」
実は表向きはカンフーや銃撃戦を中心としたアクションとアニメをこよなく愛する映画ファンだが、実は恋愛物も好きだ。
しかし、どういうわけか、恋愛映画の傑作は極めて少ない。
特に泣ける恋愛物となると、誰かが死んでしまう展開が多い。
そりゃあ愛する人が死んでしまえば話は一気にクライマックスモードだけど、そこに至るまでがもうちょっと何とかならないのかというのが本音だ。
一番気になるのは余命わずかな病人がめっちゃ元気で、自分は身内で重病人を見てきたけど、いつ死ぬかわからん人って全く動けないし、何か好きなことをやらせる=寝かせて欲しいの場合が多い。
あと、記憶喪失も「はいからさんが通る」や「キャンディ・キャンディ」を出すまでもなく、話を盛り上げる定番だが、これも実際に痴呆老人とつきあうと、周りの精神的負担は大きい。
「100回泣くこと」は癌で余命わずかと、記憶喪失のダブルコンポだ。
4年前に起こしたバイク事故で記憶の一部を喪失した青年が、友人の結婚式で出会った女性とほどなく交際を始め、早々とプロポーズするが、彼女からの返事は1年間の結婚お試し期間だった……という話で、軽く聞いている分にはベタな話っぽい。
この映画の一番の仕掛けは何故、彼女が1年間の結婚お試し期間を言い出したのか?にある。
これに関してはいい話っぽいのだが、ちょっと無理もあるかなと思うが、こういうのは流れに乗れば問題なし。
ところが、自分は流れに乗れなかった。
というのは、自分の常識から考えると納得できないところがあるからだ。
例えば事故にあった青年がバイクを廃車にせずに直して乗り続けているとか、普通に考えたら記憶なくすような事故をやらかしたらバイクに乗らないし、親も乗せないと思う。
結婚式に出席するので傘を持ってくるのだが、状況から考えると普通は折りたたみの傘じゃない?
周りの人々の大掛かりな協力。
犬を病院内に連れてくる。
余命わずかなのに物凄い体力。
そんなの重箱の隅をつついているだけだろ!…と言われれば正にその通り。
しかし、大風呂敷を広げている話なので、小さなデティールは大切だし、それがもっともらしさを生むのではないかな。
まああっちこっちですすり泣きが聞こえたので、自分だけの問題だろう。
出演は関ジャニ∞の大倉忠義と桐谷美玲(B78-W57-H83)。
監督は「余命1ヶ月の花嫁」「きいろいゾウ」と病気物御用達の廣木 隆一。
ただ、この映画、引きの絵の構図がかなり良くて、実は話は微妙だけど、絵作りはかなりうまくて、正直、話はともかくそれだけでも一見の価値あり。
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