「紙ひこうき」
日本のアニメにあって、ディズニーのアニメにないもの。
それは女性の胸と萌えだ。
アニメにおける女性の胸の表現は、①胸の膨らみ、②胸の谷間の線、③乳揺れであり、日本のアニメは、これらが深夜だけでなく、時には子供向けアニメでも描かれている。
しかし、ディズニーアニメではこれらの表現がかなりの越えられない壁なのである。
もちろん、夢を売るディズニーがそんなセクシャリティーを表現するのは方針に合わないのかもしれない。
しかし、かつては子供向きのアニメが大人にも受け入れられている現在、どうしても無視できない。
そして、ゆっくりだが確実にディズニーも意識をしているようで、最近の作品は胸の膨らみが表現されるようになってきた。
しかし、胸の谷間の線はまだまだ抵抗があるみたいで、乳揺れに至るまでには相当な時間がかかると思われる。
ちなみに乳揺れはアニメならではの表現だと思われたが「プリンセストヨトミ」の綾瀬はるか(B88-W61-H91)で、現実世界にも存在することがわかったので、ディズニーにはこれを見て、じっくりと研究してもらいたい。
そして、乳揺れよりもさらに高度な技術を要するのが〈萌え〉だ。
ディズニーお得意の小動物がかわいいのとは違い、説明しにくい。
おそらく考えるものではなく、感じるものである。
そして、今まではディズニーは〈萌え〉を作り出していない。
「今まで」というのは、「紙ひこうき」で〈萌え〉を習得しているからだ。
「シュガー・ラッシュ」の併映作品として劇場公開された短編アニメだが、その前にネットで公開されていたので先に見た。
朝のホームで偶然出会った女性にひと目ぼれした青年。
実は彼女は彼の会社の通りを隔てた反対側のビルに彼女の姿いた。
彼女に気づいてもらおうと、会社の書類で紙飛行機をつくって飛ばしまくる。
沢山の紙飛行機が生き物のごとく動き、2人の再会を演出する。
セリフなしだが、万国の誰が観ても理解できるようになっている。
3DCGアニメなのに手描き風にすることにより暖かみを出している。
最新技術でアナログっぽさを出すという矛盾めいたことを最新技術でやってしまっていることが無駄に凄い。
しかし、何よりも凄いのは、ヒロインの女の子がディズニー型女の子なのに、ちゃんと〈萌え〉が入っているのだ。
これはもう快挙としか言いようがない。
ディズニーは壁を越えたのだ。
もうこれだけでも、この短編は十分なのである。
我々は歴史的瞬間に立ち会ったといっても良いだろう。
あとは乳揺れだけか……って結局、そこに戻って来るんだよなあ。
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