「ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~」
映画の宣伝効果で絶大なのは、アカデミー賞だ。
ノミネートされただけでもその宣伝効果は絶大だが、受賞してしまったら宣伝のやり方が大きく変わってしまう。
今はほぼ同時公開が多いので、賞をもらっても既に過去の映画という場合が多い。
ぶっちゃけ、「アルゴ」がもらった時に、そんな映画もあったなあといった感じだった。
この映画もアカデミー賞の4部門にノミネートされていたが、見事に無冠。
さらには公開時期が遅すぎてノミネートされたことはもちろん、こんな映画があったことさえも忘れてしまうそうだ。
実は相変わらず予告以上の情報を知らずに、のほほんと観に行ったので、よくわからないけど世界のどこかにバスタブという名前の島があると思っていた。
ところが、それは間違いで、延々と延びる堤防によって、世界から切り離されているかのような南部デルタ地帯の小さなコミュニティのことらしい。
ところが、映画でも詳しい説明がないので状況把握に時間がかかってしまった。
というか、これってアメリカでは普通の風景なのか?
主人公の少女ハッシュパピーは6才。
飲んだくれの父親と暮らしながら、バスタブの仲間たちと、ある意味充実した毎日を送っていた。
実はこのコミュニティは立退命令が出ており、彼らは違法占拠しているような状態だ。
そんな中、とてつもない大嵐がバスタブを襲い、全て海水に浸かった状態になってしまう。
話的には西原理恵子の「ぼくんち」のスケールアップしたみたいな感じで、父親の見事なダメっぷりとか、「銀魂」で言うところの「まだお」がぴったりであり、仲間連中もろくなもんじゃねええええ。
最初はあまり面白くないというか、状況がわからなかったので、ついていけなかったのだが、台風がど~んと来たあたりから面白くなってくる。
猪みたいな伝説の巨獣とか出てきた時は何なんだよ?
現実か妄想か?と思ったが、途中でふとそんなものはどうでも良くなってきた。
これは「風の谷のナウシカ」なのである。
伝説の巨獣はオウムみたいなものだと思ったら、全てが合点がいってしまった。
いや、もちろん深読みしすぎなのだが、映画は楽しんだもの勝ちだよ。
主演のクヮヴェンジャネ・ウォレスは史上最年少の主演女優賞候補で、最終的には候補のままで終わったけど。
監督のベン・ザイトリンは自主映画出身でデビュー作でいきなりこれらしい。
才能ある奴は本当に凄いなあ。
本気だしてないだけの人は見習わないと!
ちなみに、この映画、通は「ハッパピ」って言うらしいけど、それは絶対に嘘だな。
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