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2013年4月 5日 (金)

「駆ける少年」

Kakeru 痛すぎる映画への愛情を描いた「CUT」のアミール・ナデリ監督の映画だというので観にいった。
 画面サイズがSDだったが、イランの映画だしなあと納得していて、後で調べたら1985年の映画じゃないっすか。
 主人公は海辺の廃船で暮らし、ビン拾いや靴みがきで生計を立てている少年で、走るのが速いことが自慢だ。
 時には外国の雑誌の写真や、空港の飛行機や港の船を見て、まだ見ぬどころか、おそらく一生見ない外国に思いを馳せていた。
 字の読み書きができないため、学ぼうともしている。
 そんな中、毎年恒例の天然ガスの炎が燃え盛る中に置かれた氷の塊を取りに行く火の競走の日を迎える…。
 実は話らしい話はなくて、主人公の少年の貧乏暮らしを延々と見せられている状態だ。
 スケッチ的なものを繋いだような感じだ。
 こんなの見せられてもなあ…と思っていたのだが、話が進むうちに目が離せなくなってくる。
 それと同時に面白いと感じてきてしまうのだ。
 子供が1人で生きていくのはかなり根性がいることを改めて認識した。
 そして1人で生きている主人公はかなり根性があって、金を払ってもらえない場合は、どこまででも追いかけるターミネーターみたいな奴だ。
 正直、舞台となっている国がわからないと何故?と思うところもあるのだが、そこらへんについての説明がないのは、その国では当たり前なので説明する必要がないからだろう。
 全く英語が入っていない全てがペルシア文字(?)なのでクレジットも何が何だかわからない……って当たり前か。
 1985年当時のイランの状況を知るにはかなり資料的価値もあるので、そこらへんも気にして観るべし。
 
 

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