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2013年3月29日 (金)

「シュガーマン 奇跡に愛された男」

Sugerman 70年代のアメリカで、たった2枚のアルバムを出したが、全く売れることなく姿を消した一人のミュージシャン。
 しかし、彼の歌は何故か南アフリカで反アパルトヘイトの象徴として爆発的なヒットとなるっていた…。
 やがて、90年代に2人の熱狂的ファンが彼の消息を探りだすのだが、予想もしなかった真相ががわかってくるのだった…。

 いやね、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作品と言うことは知っていたので、映画ファンのたしなみということで観にいったわけですよ。
 ろくに予告編も見ないでいったので、シュガーマンという名前の歌手がいるんかなあと思って、まあその時は日本で言うところの佐藤さんみたいな感じかなと小学生レベルの考えだったんですが、映画を観て衝撃的な事実が!!!!
 なんとシュガーマンは歌の名前で、麻薬の売人のことで、佐藤さんなんか全く無関係。
 歌手の名前はロドリゲスだった。
 まあ一発屋の歌手は沢山いるし、本国でダメでも外国で大ヒットはよくある話だし、そんな珍しい話でもないと思っていたが、賞をもらう映画がそんなテレビの「あの人は今?」みたいな映画なわけがない。
 そもそもアメリカではダメなのに、地の果てのアフリカで歌が大ヒットしたのか?
 1970年代の南アフリカはアパルトヘイト全盛で、黒人は言うまでもないが、白人も政策を批判しようものなら、刑務所行きという、別の意味では差別がない状態だった。
 そんな閉鎖的な状況なところに誰かがロドリゲスのレコードを持ち込んだら大ヒット。
 何故なら反体制的な内容で、自分らの気持ちを代弁しているような感じだから。
 やがて、アパルトヘイトがなくなり、自由になった南アフリカで、彼の熱狂的なファンが彼について調べ始めるものの、レコードは海賊版だし、本国では有名じゃないし予想以上に困難な状況になっている。
 おそらく、ここで本人の行方がわかって今はどうしているかがわかっておしまい…というのが普通の展開だが、この映画はさらに予想もしない展開に。
 情報提供者が信じられないくらい予想外の人だったり、消息がわかってもさらに物凄い展開になってしまう。
 いや~下手な劇映画より遙かに面白い!!
 これはドキュメンタリーとしては久しぶりの傑作。
 ロドリゲスがみうらじゅんみたいというツッコミは禁止な。
 

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