「王になった男」
誰かと入れ替わるネタというのは随分昔から定番のネタであり、今更感が強い。
しかし、一方ではお馴染みのネタをいかに飽きさせずに作るかが制作側の腕の見せ所である。
または、その定番ネタを役者がどう演じきるかが見所である。
暴君として名高い朝鮮第十五代王の影武者となった男の話…と聞けばどんな展開になるかはエスパーでなくても余地できてしまう。
何しろ歴史的事実があるのだから結論は決まっている。
そこに至るまでをいかに面白くするかなのである。
当然、そっくりさんを王に仕立て上げる重臣たちや、王が偽物ではないかと疑う家臣たち、当然一番近いところにいるはずの王妃の混乱、問題は目白押しである。
それをいかにクリアしていくかが、入れ替わりネタの醍醐味でもあるのだ。
定番ネタだからと思っていたら、意外に面白い。
意外にも自分の見方が変化しているのだ。
今までだったら入れ替わった男に感情移入しているはずが、いつのまにか彼の周りの重臣や家臣の方に気持ちが入ってしまう。
そりゃあ、自分がすっかりやさぐれた大人になってしまったからで、王様はいないけど、上司を持ち上げたり、うまく利用したりしてナンボのところがあって、決定権のある人間が考えをコロコロ変えてもらっては困るし、派閥抗争はあるし、正しくても通らないのが大人の世界だ。
さらに、決定権のある人間も下がついてきてナンボの世界だったりする。
どちらかというと、そっちの方が気になってしまうのだ。
あ~いつのまにか少年時代に最も嫌いな大人になってるよ。
主演はイ・ビョンホン。
そう、この映画は彼のスター映画なのだ。
だけど、彼の二役の演じ分けは意外に良かった。
監督はチュ・チャンミン…って誰っすか?
一応、入場者特典のブロマイドもらったけど、どうしたもんやら。
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