「テッド」
ドラえもんやオバQは子供の憧れだ。
何か特別な存在、それがロボットでもオバケでもいいのだが、やってきて友達として一緒に住む。
ケロロ軍曹もこのパターンを踏襲している。
しかし、それらの漫画は登場人物はいつまでも小学生のままの永遠のループ状態だ。
果たして子供が成長したらどうなるかまでは追求していない。
いや、してはいけないのかもしれない。
しかし、藤子F先生は「劇画オバQ」で答えを出してしまった。
初めて読んだ時は胸が締め付けられる感じだった。
寿命が500年と言われているオバQは子供のままだが、正ちゃんは結婚して家庭を築いている。
正ちゃんの結婚相手がよっちゃんじゃないのもリアルだ。
年齢と立場の差が出てしまったオバQと正ちゃんの間には埋まらないものがあり気まずいものがある。
これが少年の日の決別であり大人になるということかもしれない。
が、しかし、この場合、オバQがオバケの国に帰って時間が空いているからであって、ず~っと一緒に住んでいたらどうなっていただろうか?
その答えの一つを提示する映画が「テッド」だ。
友だちのいない孤独な少年ジョンがクリスマスに神様へお願いすると、テディベアのテッ ドに魂が吹き込まれ、人間のように動いて喋り出す。
永遠の友情を誓うジョンとテッド。
それから、27年。
ジョン はすっかりダメ中年オヤジに成長(?)し、テッドは見た目は昔と変わらないが、中身は不良で下品なエロオヤジになっていた。
ジョンには、過ぎた恋人ロリーがいるが、テッドのせいでうまくいかない。
そして彼女はジョンに自分かテッドかどちらかを選べと迫る…。
これは2013年の最初の大当たり映画!
大変面白い!
話的には誰でも思いつきそうだが、こういうのはやったもん勝ちである。
もしもドラえもんやオバQが大人になってもそばにいたらこんな感じになってしまうのかもしれない。
また違う意味ではダメトイ・ストーリーとも言える。
とにかくテッドのキャラが立ちすぎ。
酒は飲むし、マリファナはやるし、デリヘル呼ぶし、やりたい放題。
またジョンも35歳になるのに、仕事はレンタカーの受付で、それさえもさぼり気味。
この手の話は主人公が成長したりするのだが、まあ普通に考えて35歳のおっさんが成長するわけないわな。
映画好きのジョンとテッドが崇拝する映画が「フラッシュ・ゴードン」なのには死ぬほど笑った。
公開当時、ジョージ・ルーカスが映画化権が取れなかったので、スター・ウォーズを作ったと言われているので、さぞ面白いだろうと観に行ったら、あまりにも駄作なのに驚いた。
むしろ同時上映の「マイ・ボディガード」の方が遙かに面白かった。
というか、「帝国の逆襲」公開後だと、さすがに見劣りしてしまうのだ。
どういうわけか、「フラッシュ・ゴードン」ネタが延々と続き、とうとう主役のサム・ジョーンズが本人役で出てくる。
これには、真剣驚く!
っつうか、久しぶりに見たよ、サム・ジョーンズ。
めっちゃ老けてるよ。
自分も彼が来ていたら、何もかもそっちのけで会いにいくな。
さすがに、日本人には解りづらいギャグもあるが、映画ネタは万国共通!
特に80年代の映画ネタは泣ける。
これっておっさんホイホイだよね。
出演は「ディパーテッド」「ザ・ファイター」のマーク・ウォールバーグ。
しかし、向こうの国は、こういうコメディ系の役も演じるわけやね。
監督はこれが長編デビューとなるセス・マクファーレン。
テッドの声も担当しているらしい。
劇場は満席でひょっとしたら、「最強のふたり」みたいなヒットになるかもしれない。
しかし、意外にグッズが売っていないのが残念。
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