「フラッシュバックメモリーズ 3D」
高次脳機能障害というのは色々な症例があって、治るかどうかわからない。
今まで生活できていたことの一部が無理になってしまう。
本人も厳しいが、家族はもっと厳しい。
しかし、何よりも辛いのは記憶関係の障害だ。
基本的に人間はコミュニケーションをしながら人間関係を構築していく。
意志の疎通があってこそであり、意志の疎通がなければ、肉体は単なる入れ物でしかなく、人形と同じである。
それこそ「攻殻機動隊」でお馴染みゴーストなのである。
この映画は、2009年に追突事故に遭ったディジュリドゥ奏者のGOMAのドキュメンタリーである。
事故で軽度外傷性脳損傷による高次脳機能障害と診断され、記憶の一部が消えてしまい、新しいことを覚えづらくなってしまう。
一時はディジュリドゥが楽器であることすらわからなかったらしい。
これは怖い。
ひょっとして一気に全ての記憶がなくなっていく方がいいなおかもしれない。
徐々に記憶がなくなっていったり、覚えることができない…などあまりにも恐ろしい。
ビデオや写真を見ても全く記憶がなかったり、友人を忘れたり、用があって出かけてもいつの間にか忘れてしまう。
しかし、一番怖いのは大切な記憶が消えることだ。
「神様、この記憶だけは消さないで下さい」
この言葉には泣けた。
一応、リハビリ期間を経て徐々に復活をしていっているらしい。
良い方向に向かって欲しい。
実はこの映画を観るまでディジュリドゥが何なのか知らなかった。
とりあえず、オーボエみたいなものでいいのか?(全く違うって)
全編に流れる音楽が素晴らしい。
監督は「童貞。をプロデュース」の松江哲明。
ドキュメンタリー映画なのに珍しい3D映画だが、演奏を中心にしていて、アニメーションの効果もあって立体感はあった。
いや、もっと言えば音楽による音の立体感の効果もあったかもしれない。
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