「サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ」
かつてはフィルムが唯一無二の映像記録媒体だったが、今は撮影から上映までデジタル化が進んでいる。
この映画はキアヌ・リーブスが企画製作そして案内役となり、フィルムとデジタルの違い、ハリウッド錚々たる大物監督や撮影監督などに問いかけ、デジタル革命という大きな転換点 に直面している映画産業の現在と未来を見つめたドキュメンタリーだ。
マーティン・スコセッシ、ジョージ・ルーカス、ジェームズ・キャメロン、クリスファー・ノーラン等が語り、彼らのこだわりがよくわかる。
当然、ルーカスはデジタル派だ。
ノーランはフィルム派である。
それぞれの主張が面白い。
意外によくわかってなかったデジタル化についてわかりやすく説明してくれているも有り難い。
そういえば、スター・ウォーズのエピソード2がDLP上映だからといって、画質を確認しにいったのが遙か昔のことに思えるが、実はそんな昔の話でもないわけやね。
ここ最近はミニシアターのデジタル化などが話題になっているので、この映画の公開は色々な意味でタイムリーと言える。
この映画はデジタルがダメだとか、フィルムがどうとか言っているわけでもなくて、今はそういう状況のレポートみたいなものである。
長年映画ファンをやってると感慨深いものがある。
まあ色々語ったところで、映画がデジタル化していくのは必然であり、フィルムは完全になくなりはしないけど用途に合わせてといったところかもしれない。
正直、自分はどちらでもよくて、デジタルだろうがフィルムだろうが、映画が面白いかどうかが大切だと思っている。
ついでに言うとミニシアターのデジタル化に伴う存続の話も、関係者は随分前からわかっているはずで、どうするかは劇場の裁量でしかない。
資金繰りや方法は客には関係ないことだし、そもそも昨今の風潮として、劇場経営と文化の存続を一緒にして話していることが多く、これを他の業種に置き換えれば理路整然とするはず。
映画だから特別ではないと思う。
色々語られるけど、多くの場合は問題提起だけであり、具体的な解決策はでない。
結局、解決するのは当事者なのだ。
と、脱線して申し訳ない。
脱線ついでに、自主映画もこの映画の内容に近いようなことがあって、8ミリフィルムの時代が終わりかけているけど、ビデオへの移行にはまだ早い時期があった。
今でこそ安価なノンリニアでサクサク編集ができるのだが、それまではビデオデッキをつないで編集しなくてはならず、フレーム単位でインサート編集ができるシステムは業務用しかなく、当然滅茶苦茶高い。
だから1990年代初めの大学の映画サークルは作品作りがうまくいかず、空白期間があったりした。
商業映画だと簡単にデジタル化に移行できても、自主映画はそう簡単にできない。
だって、映画製作って自主も商業もとてつもなく費用がかかってしまうからねえ。
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