「カリフォルニア・ドールズ ニュープリント版」
安いレンタルどころか、セルDVDが家族4人で劇場に行くより安い時代。
新作映画でも厳しいのに、名画座の経営が成り立つかどうかは今更検討する余地もないだろう。
だけど、昔の映画が劇場で観ることができなくなったか?と言われればそうでもない。
ニュープリント版やデジタルリマスター版が公開されることにより、かつての名作・珍作を劇場で観ることができるようになった。
確かに昔のボロボロのフィルムを見せられるより遙かにマシだ。
中にはそういうのが味があると語る人もいるだろうが、自分は古い映画を新作同様に観る方が逆に新鮮で面白いと思っている。
「カリフォルニア・ドールズ」は1981年の映画で、ロバート・アルドリッチの遺作だ。
記憶が曖昧なので自信がないが、もう随分昔に「日曜洋画劇場」で放送されたと思う。
初めて知ったのだが音楽の権利の関係で日本ではDVDが出ていないらしい。
そういえば、「ブルースブラザース」も音楽の関係でしばらくソフトの販売がなかった。
小野やすしの吹替版のテレビ放送を録画したものが唯一無二だったのも懐かしい思い出だ。
話は超簡単に言えば女子プロレスラーの二人カリフォルニア・ドールスと、そのマネージャーのロードムービー。
公開当時の最大の宣伝が「刑事コロンボ」のピーター・フォークが出演していることくらいしか売りがなく、ロバート・アルドリッチの名前が前面に出ていることはなかったと思う。
改めて観ると、最初はちょっとダレてしまうが、後半の試合は迫力満点だった。
そういえば、公開当時くらいまではテレビでプロレス中継をやっていた時代だった。
女子プロレスも普通に放送していた。
マッハ文朱や、ビューティペアが大人気だった。
女子プロレスで最後の有名人ってキューティー鈴木になるのかもしれない。
確かに彼女は女子プロレスラーの中では希に見る美人だが、我々が女子プロレスに求めていたのは、そういうものではないのだ。
この映画を観て、自分の求めていた女子プロレスラーとはこういう感じだったことを思い出した。
ビアガーデンや深夜番組でお馴染みだった泥んこプロレスもあったのは、この時期だった。
正直、この映画に何かテーマ的なものを見つけるようなものはないと思っている。
色々深読みはできるかもしれないが、基本は女子プロレス映画であり、極めてスポ根の王道である。
しかし、今観ると、何とも言えない懐かしさが漂っている。
それは1970後半から1980年代前半の空気であり、こればっかりは今の最新技術を使っても再現することはできない。
その意味ではこの映画は今の時代貴重だ。
ピーター・フォークの生の声に違和感あり。
やっぱりピーター・フォーク=小池朝雄の声なんだよね~。
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