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2012年11月14日 (水)

「悪の教典」

Akuno 日本映画の残念なところは徹底さが足りないところだろう。
 何をするにしても、よくやって腹八分程度が多い。
 だけど、面白い映画は徹底してやりすぎる位やっている。
 普通、ここまでやらんよなあというところまでやる位が丁度良い。
 だから悪い奴は徹底して悪い方が良い。
 良心の呵責を感じている奴はまだまだ小物だ。
 その証拠にハンニバル・レクター博士は自分が悪いことをしている自覚が全くない。
 人さえ食べなければ良い人なのだ。
 そんなわけで、「悪の教典」に出てくる先生は、レクター博士と同じカテゴリーに入るのかもしれない。
 人さえ殺さなければ良い先生だからだ。
 頭脳明晰でイケメン、生徒だけでなく、同僚やPTAからも信頼の厚い高校教師、蓮実聖司。
 生徒からハスミンの愛称で呼ばれる彼だが、実は反社会性人格障害で、迷いもなく殺人をやらかす男だった。
 そんな彼だったが、正体がばれそうになったので証拠隠滅のため、文化祭 の準備で学校に居残る生徒全員の殺害を実行しようとする。
 面白い!!
 前半の良い先生なのに、実は悪の片鱗が見え隠れしているのが、じわじわと怖いものを感じさせる。
 そして後半の一気に迷いもない殺戮には、あまりにも潔いために痛快さを覚える程だ。
 日本映画でここまで徹底しているのは珍しい。
 監督が三池三池崇史なので、当然かもしれない。
 しかし、何よりも主演の伊藤英明がハマリ役。
 表と裏のある教師をきっちり演じている。
 「海猿」で多くの人を救出しているのに、この映画では多くの人を殺しているというギャップも良い。
 共演に山田孝之がいるのだけど、今なら普通に考えたら彼が主演でもいいのだが、残念なことに今の山田君はさわやかというより、胡散臭いのが目立つのでダメかもしれない。
 とはいいながらも、爽やかな山田君よりダーティな感じの山田君の方が自分は好きだ。
 続編があるっぽい終わり方もシャレが利いている。
 正にエクセレントだね!!
 
 

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