「任侠ヘルパー」
全国公開される映画の多くはテレビ番組の映画化が多い。
昔は、映画化と聞くとTVシリーズを一生懸命見て劇場に行ったのだが、さすがにこれだけ本数が増えると全て予習していくのは無理というもの。
しかし、それは制作側もよくわかっていて、露骨にTVシリーズの続きを劇場版ということはしない方向になりつつある。
とりあえずTVシリーズはTVシリーズで完結した形を取り、映画は映画として独立しても観ることができるし、TVシリーズを知っていればより楽しめるような感じにする。
逆に映画で興味を持ってくれれば、ソフトが売れるかもしれない。
今更だけど、これがメディアミックスであり、それは観る側もわかっているので、あまり露骨に商売主義丸出しでなければ良いと思っている。
この映画は、ヤクザが介護ヘルパーとして働くという奇抜な設定のTVドラマの劇場版だ。
そういえば、ヤクザが高校教師になる「はいすくーる仁義」ってあったなあ。
暴力団から脱退し、堅気となってコンビニ店員として働く主人公が強盗に入った老人に店の金を渡したことから刑務所に入ってしまう。
獄中でその老人と再会し、彼にコンビニの礼として自分と兄弟分だった組長を紹介してもらう。
そこで、彼は破産した老人たちを劣悪な介護施設に放り込み、年金や 生活保護費を絞り取る仕事をさせられることになる…。
あれ、意外に面白いぞ。
自分はTVシリーズを見ていなかったので、細かい設定をしらないのだけど、知らなくても十分わかるようになっている。
奇抜な設定の中にも、昔ながらの義理と人情に厚いヤクザ映画の要素もきちんと入っている。
介護問題は自分が年取ると、他人事ではないのだが、そこが逆に考えさせられたりする。
もちろん、そんな簡単なものじゃないところもあるのだが、そこはヤクザが介護ヘルパーをやってるような世界なので目くじら立てるのが大人げないというもの。
それよりも、世知辛い世の中にこういうファンタジーも必要だ。
主演は草なぎ剛。
共演は安田成美(B80-W65-H85)、風間俊介、香川照之だが、注目は夏帆(B85-W58-H85)で今までの演じた役とは違う、派手なキャバ嬢を演じている。
ところが、これが意外に良くって、新境地を開いたかもしれないが、これが行き着くとVシネのお色気担当になってしまいそう。
監督は「容疑者Xの献身」「アンダルシア 女神の報復」の西谷弘。
シリーズ化はしないだろうなあ。
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