「ルパン三世 東方見聞録 アナザーページ」
毎度お馴染みTVスペシャルの第23弾。
今回のルパンの狙いはマルコ・ポーロが記した「東方見聞録」から 抜けおちたとされる幻の1ページ=アナザーページ。
そこには、マルコ・ポーロが獲得した宝の隠し場所のヒントが刻まれているという。
しかし、ルパン以外にも謎の組織がそれを狙っていた。
舞台はイタリア、中国、日本を舞台とし、アナザーページの謎を追うルパンと、日本で修行する石川五エ門の話が同時進行で進んでいき、最後には一つになっていく。
毎度お馴染みの声に関しては、もうすっかり新しい声で良いと思う。
むしろ、その中で完全に浮いてしまっている次元を次に何とかしないといけない。
いや、マジで。
毎度、言わせてもらうが声なんかそれなりに雰囲気を掴めば誰でもいいわけで、ジェームズ・ボンドが今でもショーン・コネリーがやってたら無理があるはず。
それは声優だって同じだ。
一番重要なのは話が面白いかどうかで、特に40年以上続くシリーズであり、サザエさんのような永遠のマンネリループ状態ではなく、登場人物の基本設定を生かしつつ、時事ネタを入れながら常に〈最新〉でありつづけるためには、声の問題はそれ程重要ではない。
例えば007シリーズがいつまでもスペクターと戦っていたら、果たして息の長いシリーズになったかどうか。
むしろ、ジェームズ・ボンドを記号化することにより、時事ネタ+少し未来のネタを入れていくことにより息の長いシリーズになっているはずだ。
ルパン三世もそうあるべきなのだが、21世紀になって泥棒という設定がかなり難しくなっているのも確かで、そもそも何を盗むのか?
銀行や現金輸送車を襲って金を奪う時代は遙か昔の時代で、今や頑張ればパソコンで何でもできてしまう時代だ。
美術品や宝石を盗むというのも、何故?何のために?という疑問がついて回る。
結局、不可能に挑戦するチャレンジャー精神だけになってしまう。
実はこの動機付けがルパン三世の一番の難しいところなのである。
さらにレギュラー5人の配置や動かせ方など、実はかなり難しい。
これらの条件を満たし、常に〈最新〉でなければならない。
今回の東方見聞録に隠された謎だったり、ルパンが殺人の容疑をかけられたり、ツカミはOKなのだが、残念なことにルパン三世という予定調和に頼りすぎてしまっているために、緊迫感であったり、動機付けが弱かったりして見ていて居心地が悪い。
さらにキャラクターデザインがどっからみても名探偵コナンなので、ちょっと気を抜くと自分が何を見ているかわからなくなってしまう。
これが映画だったら激しく文句を言いたいのだが、年に1回の無料のTVスペシャルなので、風呂入って飯を食べながら見ている分には全く問題がないのかもね。
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