「ロラックスおじさんの秘密の種」
「怪盗グルーの月泥棒」のスタッフが、世界的絵本作家ドクター・スースの原作を3Dアニメ化。
花や木が人工で出来た街に住む少年テッドが、憧れの女の子の夢を叶えるため、街の外に住む老人をワンスラーを訪ねる。
ワンスラーは何故街から木がなくなったかを語り出す。
それは、若き日の彼と森の代弁者ロラックスおじさんの不思議な話だった…。
前にも言ったが、日本では出遅れた感のある3DCGアニメはハリウッド映画では既にジャンルとして確立しており、アニメ=3DCGアニメのことになっている。
その中でもトップを走っているのがピクサーであり、その後はドリームワークスかもしれない。
その他の会社も作っているのだが、どれも似たりよったりで凡庸な感じ。
この映画はドクター・スースが原作であることが海外では最大の売りなのだが、日本の場合、そこはあまり宣伝になっていない。
実は「怪盗グルーの月泥棒」も言うほどヒットしているわけでもなく、売りがあまりない。
結局、何で話題を作るかというと、アニメの場合、誰が声を担当するか?しかないのだ。
そしてこの映画の最大の売りはロラックスおじさんの声が志村けんが担当するということだ。
ここで声優原理主義の人は彼の起用を叩くだろうが、ところが実際に観てみると違和感がなく、むしろうまい。
もともとドリフターズは演技をしているコントが多く、志村けんは「飛べ!孫悟空」もあったので、下手ではないと推測はできてしまう。
むしろ、トータス松本の方が問題で、歌があるので彼の起用は正解なのだが、関西弁に物凄く違和感がある。
海外の作品での関西弁は時々出てくるが非常に不自然である。
そしてこれは、演出の問題であり、トータス松本の責任ではない。
映画そのものは、急に歌ったり踊ったり、海外アニメのお約束満載なのだが、テッドの動きとワンスラーの昔話のやりとりが、少しもたついてしまう。
強欲な実業家から空気を買うという設定も、「トータル・リコール(1990)」程切羽詰まるものがないので、イマイチ緊迫感を感じないのが残念。
自分は未読のだが、原作はどうなっているのだろう?
ちなみに宣伝で言うほど立体感はないので3Dに期待しすぎないように。
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