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2012年10月22日 (月)

「希望の国」

Kibounokuni 昨今、テレビ番組の映画化が多いし、それを完全否定するつもりは全くない。
 時代的にそういう流れだし、テレビ番組の映画化の中にも面白いものはある。
 しかし、一方ではあえて金を払って劇場まで行くのだから、テレビで見ることができないような作品もあっていいと思う。
 もちろん、それはテレビでは難しい3Dであったり、血がドバドバ出るようなホラー、または最近全く見なくなった女の裸でもいい。
 テレビでは絶対にやらないような内容であってこそ、劇場に行く価値があると思う。
 そしてテレビあえてボカしているのが原発問題だ。
 この映画は原発事故が発生した架空の県を舞台に、いきなり発生した原発事故に巻き込まれ、翻弄される家族の物語だ。
 監督の園子温は前作の「ヒミズ」で舞台を震災後にしたりしていたが、今度はダイレクトに原発問題について言及している。
 確かにダイレクトすぎてテレビで取り扱うのは絶対に不可能。
 しかし、映画だからこそできたのかもしれない。
 前フリなしでいきなり発生した原発事故。
 それは色々なところに弊害をもたらしている。
 正直、現実世界がまだ現在進行中の話なので、観ていて痛々しく、現実味がありすぎて気分がブルーになってしまう。
 ところが、テレビだと既に終わってしまったような感じである。
 だからこそ、映画では追求するべきなのかもしれない。
 正直、普通のホラー映画より遙かに怖い。
 放射能という見えない恐怖もそうだが、政府の対応や報道のあり方など。
 過去の話ではなく現在進行中の現実の話で、遠い外国の話ではない。
 そして、これがドキュメンタリーではなく、劇映画で、きちんと物語として成り立っているし、面白い。
 賛否は分かれるだろうが、伝わるものはあるし、おそらく地上波では放送はしないと思う。
 出演は夏八木勲、大谷直子、村上淳、神楽坂恵(B92-W58-H87)、清水優、梶原ひかり(B85-W58-H87)、他にも園子温の映画ではお馴染みの役者が多数。
 正直、何をもって希望の国かわからないが、せめて将来が希望の国になってほしいと切に願う。
 
 

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