「映画 ひみつのアッコちゃん」
昨今のアニメや漫画の映画化は珍しくもないのだが、ある世代にとって抵抗感があるのは、フジテレビの「月曜ドラマランド」があったからで、あの番組の原作漫画クラッシャーぶりは凄まじいものがあった。
その中には「ひみつのアッコちゃん」も含まれており、富田靖子(B80-W58-H85)の「一休さん」程でもないが、当時の子供たちの心に何かしらの心の陰を落としているのは確かだ。
だから、映画化の話を聞いた時には、映画会社の企画のなさを実感していた。
ところが、ネタで観にいったはずなのだが、意外によくできているのに驚いた。
昨今のアメコミヒーローと同じやり方で映画化!
つまり、原作やアニメをそのまま実写しているわけではない。
登場人物や設定、テーマを生かして新しく再構築しているのだ。
小学生のアッコちゃんをそのまま映画化してしまえば、それは子供向きでしかなく、大人の観客を呼び込むのはかなり難しい。
しかし、この映画の場合、小学生のアッコちゃんが大人に変身することにより、大人の世界に入り込むことができるようになり、さらには見た目は大人中身は子供という逆名探偵コナン状態にすることにより、ギャップの面白さを出している。
魔法のコンパクトで22歳の女子大生になったアッコちゃんが化粧品会社でアルバイトに恋に大奮闘!……という話なのだが、思った以上にしっかりとしたコメディになっている。
え、それって「ビッグ」じゃないの?という野暮なことは言いっこなしっつうことで。
アニメの登場人物もきちんと登場させることにより、往年のファンも納得できる状態になっている。
そしてそれらは正に宝探しのようになっており、「こんなところに出てきている!」という面白さがある。
その中でもチカちゃんが、そのまんまで出てきて、すぐにわかってしまうんだけどね。
アニメ版の歌もうまくアレンジして使われており、きちんと過去のアニメに敬意を払っているのが交換が持てる。
これは、サム・ライミ版の「スパイダーマン」でアニメ版の音楽を」さりげなく入れてあるのと同じようなものであり、これまでの日本映画ではあまりなかったことなので評価したい。
さらに変身ドタバタ劇かと思いきや、メインの話が企業買収劇というハードなものだった。
このハッタリのかまし方と魔法物という、水と油のような関係がうまく混じり合っている脚本も良い。
主演の綾瀬はるか(B88-W61-H91)は巨乳ネタがすっかり持ちネタになっている。
といっても、「プリンセストヨトミ」のような物理的なものでなく、言葉による胸の話だけなので期待しすぎないように。
共演は「宇宙兄弟」の岡田将生。
監督は「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」の川村泰祐。
どちらかといえば、かつてアッコちゃんのアニメを見ていた女性のための映画かも。
年齢がバレるアッコちゃんのパパの職業は触れていない。
自分的には船乗りなんだけどね。
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