「ロック・オブ・エイジズ」
もはや文化的な違いであり、どうしても日本人が違和感を感じるのがミュージカル映画だ。
普通のドラマが展開しているのに、当然歌ったり踊ったりしている。
ミュージカル映画はそういうものだと頭ではわかっていても、抵抗感があり違和感を拭えない。
これはもう考えるのではなく、感じるしかない。
おそらく、多くの日本人は歌や踊りが始まったら、それは別物の何かが始まったと思って見ている人が多いかもしれない。
この映画は、ブロードウェイ・ミュージカルの映画化で、全編80年代ロックが使用されている。
1987年、夢を追ってハリウッドにやってきた若い男女の恋の行く末、それにロックのカリスマが絡んでいくのだが、話は極めて単純。
これはカンフー映画がカンフーアクションを見せるため、とりあえず話があるようなもので、音楽を見せるためのきっかけにしかすぎないのだ。
だから、凝った話を求めている人はこの映画を観ない方がいい。
話はあまりにも陳腐だから。
ある意味、正統派のミュージカル映画とも言える。
劇場の音響システムで音を楽しむのが正解。
何しろスタジアムロックの再現なんだから。
さらに1987年という時代設定がポイントで、MTV全盛期で、エアロスミスやガンズが人気だった頃であり、この映画は当時の有名な曲をガンガン効果的に使っている。
しかし、極めて残念なことは、それが日本人にはイマイチピンと来ないことであり、生活に根ざしてないのでわからない。
これはもう文化的な違いであるためどうすることもできない。
さらに、本人が洋楽を好きでないとどうしようもない。
何故なら、それが前提となっているから。
もっといえば、ミュージカルが映画化するとどうなるか?という楽しみのもあるはずなのだが、それさえも知らないと面白さは半減するかもしれない。
実はこの映画は、日本人には正に細かすぎて伝わらないところが多い。
唯一の売りはカリスマ・ロックスターをトム・クルーズが演じていることで、自ら歌っているらしいとのことなのだが、彼は厳密に言うと主役ではないし、歌も彼の声とかを普段から意識していないと何がどう凄いかわからない。
他にもキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ポール・ジアマッティ……と意外に豪華なのだが、メインの主演の男女は日本では知名度がない。
それ故の面白さがわかりにくい。
監督は
正直、微妙な映画で基本面白くないけど、好きな人は好きという感じかな。
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